Jimmy

適齢三人娘のJimmyのレビュー・感想・評価

適齢三人娘(1951年製作の映画)
4.0
川島雄三監督作品、津島恵子・若原雅夫など出演の楽しい映画。
久しぶりに楽しい旧作日本映画を観た。みている間じゅう、ずっと顔が微笑んでしまう娯楽作であった。
しかし、さすが川島雄三のセンスが良い喜劇。いやぁ、笑った笑った~(^^)

古典的な日本家庭に母親(吉川満子)と娘二人(姉…幾野道子、妹…津島恵子)が住んでいた。この家は父親の生前は「元華族の一家」だったが、既に「普通の家族」となっている。
そんな家の姉は、やはり元華族のボンボンに婚約を破談にされるのだが、ハツラツとした妹が「直接、姉さんの婚約者に会って話を聞くわ!」と飛び出して姉の婚約者のアパートに押しかけていくが、既に立ち去った後だった。婚約者と間違えて叩き起こした男=武林(若原雅夫)は、とっても人柄の良い人物で、妹は彼に好意を持ってしまう。
そんな折、母娘一家に「妹の方もそろそろ見合いをせんとな~」と言って、見合い話を持ってくる知人が居たが、妹は「私、ちょっと気になっている人が居るので、姉さん、身代わりに行ってくれない?」と頼んでその見合いに行ってもらう。一方、その見合いの男(貿易会社の若社長)も「俺、仕事で行けないんだ。武林、替わりに行ってくれよ。一生の頼みだ!」と身代わりに行くのは武林。妹が好きになった男が、その姉とお互いに身代わりの見合いをするという楽しい設定(笑)
……とこんな感じで、楽しい話が続く。

武林のセリフ「少々、ややっこしい事になりそうなんだ…」というのが、この映画をうまく表現している。

また、妹(津島恵子)が姉(幾野道子)に「見合いの相手はどうだった?」と尋ねると「そうね、日本のシャルル・ボワイエっていう感じの人だわ」というあたりも時代を感じて楽しい。

なかなか観る機会が限られてしまっている川島雄三監督作品であるが、ホントに楽しい映画なので、なんとか鑑賞機会を増やせる工夫をすべきだと思う作品であった。
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