谷崎の世界
当時、たぶん渋谷の映画館で。少々長く感じましたが、「格」というものが存在するのだ、と実感させられました。優雅で繊細で整えられた世界の中に、厳然として無言のうちにそこにある…それを美しい映像の中に感じました。
出身大阪で京都の高校卒という大学時代の友人に関西弁、と言って怒られた事があります。ひとくくりにするな、と。どっぷり関東の私には詳しくわかりませんが、船場の言葉なんでしょうか、岸恵子さん・佐久間良子さんが話すとすごくきれいで、見事でした。ちょっとした言葉の端々に、微妙なニュアンスが感じられ、谷崎の本では見えにくい感情の流れが、すっと入ってきました。ただ、妙子さんだけがちょっと…これは個人の好みの問題かと思うのですが。
冒頭の桜のシーン、綺麗でした。それから着物!それぞれの個性に合わせてすばらしかったです。