ENDO

宗方姉妹のENDOのレビュー・感想・評価

宗方姉妹(1950年製作の映画)
4.2
山村聰が眼帯で登場。すでに死相。猫を愛でるシーンがやたら多く彼が主人公のノワールでもある。千石さんに「キスしてやろうか?」しかも原因不明の突然死。その死によって囚われる田中絹代。狂言廻しでしかない高峰秀子の過剰なお転婆演技は気恥ずかしい。
正座する絹代を立ったまま何度も平手打ちする聰、店仕舞いの夜に壁にグラスをいくつも叩きつける秀子(その背後で哄笑する聰)、2人の過剰な衝動性は同族嫌悪の様相。無力な父・笠智衆、かつての恋人・上原謙、動じない高杉早苗。すべての思い出は苦しみとともに上書きされる。

BARに飾られる言葉
I drink upon occasion.
Sometimes upon no occasion.
Don Quixote

「私は理由があって飲む。
時には何の理由もなくて飲む」 
ドン・キホーテ
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