ナツミオ

ケイン号の叛乱のナツミオのレビュー・感想・評価

ケイン号の叛乱(1954年製作の映画)
4.0
NHK-BSシネマ録画鑑賞

 ”叛乱罪“は死刑となる重罪。

大昔に観たきり。
未レビューだったがBSシネマでの放送を楽しみに再見。太平洋戦争下の軍事法廷劇の名作。
内容はほぼ忘れていた…。

軍隊で規律や指揮官の命令に背くことは、指揮命令系統に混乱を与え、組織が大きな損害や崩壊を招く事態にもつながる。
しかし、その指揮官が精神に異常をきたしていたら……⁈

ハードボイルド作品のイメージが強いボガートが主役の仇役・クイーグ少佐を演じた異色作‼️
そしてこの艦長が段々と偏執症(パラノイア)の徴候を見せるところが不気味。

最初は、大学出の主人公ウィリー・キース士官候補生(フランシス)とナイトクラブ歌手メイ・ウィン(ウィン)のラブロマンス、そしてキースが見習士官として、オンボロ駆逐艦に赴任するところから始まる。
厳しくも人望厚い艦長、デヴリース少佐(テューリー)や副官マリク大尉(ジョンソン)、作家志望のキーファー大尉 (マクマレイ)、水兵役ミートボール役で若きリー・マーヴィンも発見‼️などなど脇役も曲者揃い⁈

後半の裁判でやっと登場する2人(マリク、キース)の弁護人グリーンウォルド大尉に名優ホセ・ファーラー。
右手に包帯を巻き痛々しい登場だが、実際撮影直前に骨折していたそう⁈
防戦一方の裁判の行方は⁈

終盤の嵐のシーンは、実際1944年12月に起こった台風コブラで米海軍の駆逐艦3隻が沈没した大惨事をモチーフに、ケイン号があわや沈没の危機に遭遇し事件が起こる。

軍事法廷劇としては、トム・クルーズ、ジャック・ニコルソンの『ア・フュー・グッドメン』(1992)が思い出されるが、こちらも古い作品ながら終盤の検察と弁護人の応酬にハラハラする。
おそらく『ア・フュー〜』は本作の影響を感じる。

裁判劇作品上位に入る名作でした‼️



1954年全米興行成績の第2位作品。

ノミネート
・第27回アカデミー賞(1955年)7部門ノミネート
(作品・主演男優ハンフリー・ボガート・助演男優トム・テューリー・脚色・作曲ドラマ・コメディ部門・録音(ジョン・P・リヴァダリー)・編集ウィリアム・A・ライアン)

原題 『The Caine Mutiny』

1954年米作品
製作 スタンリー・クレイマー
監督 エドワード・ドミトリク
原作 ハーマン・ウォーク
脚本 スタンリー・ロバーツ
撮影 フランク・プラナー
音楽 マックス・スタイナー
出演 ハンフリー・ボガート ホセ・ファーラー ヴァン・ジョンソン フレッド・マクマレイ トム・テューリー ロバート・フランシス メイ・ウィン E・G・マーシャル リー・マーヴィン

日本語字幕 深沢三子

(NHK番組内容より)
第二次世界大戦中の1943年。
海軍の駆逐艦ケイン号の新艦長に着任したクイーグ(ボガート)は、神経質な性格で乗組員には厳しく、いざというときには頼りにならない男だった。乗組員たちが次第にクイーグへの信頼を失っていくうち、ケイン号は台風に遭遇。取り乱すクイーグに代わって副官のマリック(ジョンソン)が指揮をとるが…。
名優ハンフリー・ボガートがクイーグを熱演。世界的なベストセラーでピュリツァー賞を受賞したハーマン・ウォークの小説をエドワード・ドミトリク監督が映画化した緊迫のドラマ。


原作者ハーマン・ウォークは、第二次世界大戦でUSSゼインの将校を務めながら、彼の最初の小説「オーロラ・ドーン」を執筆し批評のために最初の草案を大学の教授に転送した。その後、教授はそれを出版社に送り、ウォークがまだ海にいる間に契約、1947年に出版された“オーロラ・ドーン”の成功は、1951年に出版されたウォークの2番目の、そして著しく成功した小説「ケイン号の叛乱』への道を築き、太平洋戦争で海軍将校を務めている間、彼自身の経験やその他のエピソードを基に執筆されたそう。







過去レビュー

スコア3.7 よりアップ4.0へ

ハンフリー・ボガートが癖のある敵役を演じた。



【忘備録】ネタバレなし
(キャスト)
<ケイン号乗組員>
・フィリップ・クイーグ少佐(新任艦長)
Captain_Queeg
- ハンフリー・ボガート

・ウィリアム・デヴリース少佐(前艦長)
Captain_DeVriess
- トム・テューリー

・スティーヴ・マリク大尉(副長)
Lt.Steve_Maryk
- ヴァン・ジョンソン

・トーマス・キーファー大尉 
Lt.Tom_Keefer
- フレッド・マクマレイ

・ウィリー・キース少尉(当初は候補生)
Ensign_Willie_Keith
- ロバート・フランシス

・バーニー・ハーディン少尉 
Ensign_Harding
- ジェリー・パリス

・”ミートボール”(甲板員) Meatball
- リー・マーヴィン

<海軍軍法会議関係者>
・ブレイクリー大佐(裁判長)
Captain_Blakely
- ワーナー・アンダーソン

・ジョン・チャーリー少佐(検察官)
Lt.Cdr.Challee
- E・G・マーシャル

・バーニー・グリーンウォルド大尉(弁護人)
Lt.Barney_Greenwald
- ホセ・ファーラー

・ディクソン軍医中佐(精神科医)
Lt.Cdr.Dickson
- ウィット・ヴィセル

<その他>
・メイ・ウィン(ナイトクラブ歌手、ウィリーの恋人) May_Wynn
- メイ・ウィン

・キース夫人(ウィリーの母) Mrs.Keith
- キャサリン・ウォーレン

・Lt.Paynter
- アーサー・フランツ

・Horrible
- クロード・エイキンズ

・Chief_Budge
- スティーヴ・ブロディ

・Stilwell
- Todd Karns

・Lt.Jorgensen
ジェームズ・ベスト

・English_Carmody
- Joe Haworth

・English_Rabbit
- Guy Anderson

・Whittaker
- ジェームズ・エドワーズ

・Urban
- ドン・ダビンス

・Engstrand
- David Albert

・カメオ出演
- Ray Cory
ナツミオ

ナツミオ