8Niagara8

蛇の道の8Niagara8のレビュー・感想・評価

蛇の道(1998年製作の映画)
4.9
ヘビーで、あまりにもグロテスクであるが大傑作。
ニヒリズム、ショットの美しさ、緩急のついた展開、会話の面白さ、あらゆる黒沢清的要素が高い次元で噛み合うとこうなるというのをまざまざと見せられた。

杜撰で、やり過ごすかのような復讐劇は先が読めず、小物すぎる宮下。彼だけが敷かれたレールを辿り、袋小路で時既に遅し。
感情の行き場を無くしていく様はアイロニカルで、残虐性たっぷり。
ラストの新島の表情が全てを物語る。
やっぱりシナリオが完璧。
シュールさも忘れない会話劇とそれに立脚するテンポ感の良さが閉鎖された空間設定を優に打破する。
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