ナツミオ

特攻大作戦のナツミオのレビュー・感想・評価

特攻大作戦(1967年製作の映画)
4.0
DVD鑑賞(NHK BS-hiで録画したもの)

”将軍殺しが癖になりそう“

タラちゃんの『イングロリアス・バスターズ』を観てオマージュ元の本作を久し振りに鑑賞。再レビュー、再投稿。
過去レビューにいいネ!頂いた皆さまありがとうございます。

やっぱり何回観ても面白い‼️
たぶん10回以上は観ている⁈
犯罪者部隊が特殊作戦を遂行する、鬼才、ロバート・アルドリッチ監督が描く戦争アクション大作。

アカデミー賞音響効果賞受賞。

原題 『The Dirty Dozen』(12人の汚い奴ら)

1967年米作品
監督 ロバート・アルドリッチ
脚本 ナナリー・ジョンソン ルーカス・ヘラー
原作 E・M・ナサンソン
小説『12人の囚人兵』(原題:The Dirty Dozen) 
音楽 フランク・デ・ヴォール
撮影 エドワード・スケイフ
出演 リー・マービン アーネスト・ボーグナイン チャールズ・ブロンソン ジョン・カサベテス テリー・サバラス ドナルド・サザーランド 

日本語字幕 森本務

(NHK番組内容より)
ロンドン1944年。
ノルマンディー上陸作戦のため、米国陸軍のライズマン少佐(マービン)がある特殊作戦 “恩赦作戦” の命令を受ける。
それは過去に殺人や強盗などの犯罪歴がある12人のならず者を一流の部隊に鍛え上げ、フランス・レンヌにある敵ドイツ軍の保養所に使われている城を襲撃するというもの。厳しい訓練の後、彼らはドイツ軍幹部が多数いる城の保養所へと乗り込むが……。

原作小説は、1965年に発表された『12人の囚人兵』。200万部以上を売り上げ、10ヵ国の言語に翻訳されたベストセラーを元に、娯楽映画職人アルドリッチがアメリカ軍万歳に終わらない、娯楽作品ながら反骨精神あふれる監督ならではの一作。
同監督作品の『攻撃』(1956)も同様。

1967年全米興行成績1位。

戦争の残酷さの描写、特に後半の保養所襲撃シーンは、モロにタラ作品への影響を感じる。そして懲罰部隊を消耗品としか考えていない軍上層部の酷薄さがにじむ冷ややかなラスト。(冒頭のセリフは、部隊の生き残り、ウラディスロー(ブロンソン)のボヤキ)

主演は、犯罪者部隊を率いるライズマン少佐役にリー・マービン。
好きな俳優さん!
部隊には曲者ぞろい、チャールズ・ブロンソン、ジョン・カサベテス、ドナルド・サザーランド、テリー・サバラスなど個性派俳優が勢ぞろい。後々主演を張る面々が豪華‼️

他にもアーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン、ジョージ・ケネディなど。

前半は、この犯罪者部隊の訓練とその成果。
犯罪者たち、それぞれが強烈なキャラクター。上官をも殺しかねない彼らが最初バラバラだったが次第に団結し、抜群のチームワークを見せる群像劇。
各人の描き方も良く描かれている。

後半はいよいよ敵地に乗込み作戦を実行するアクション。
ここから、想定外の事が立て続けに起こる難関ミッションへ。



【印象のシーン】ネタバレあり
・最初の軍刑務所での絞首刑執行シーン

・ライズマン少佐(マービン)が軍刑務所で並ばせた犯罪者集団に1人づつ面と向かい名前と顔と判決内容を聞くシーン。
不敵な笑みを浮かべる彼らをどの様に鍛え、仲間意識を高め、団結していくところが前半の見どころ。
一列に並ぶメンバーは、『イングロリアス…』でも同様のシーン。

・訓練終了祝いにライズマンが部下たちに奢る酒と女性⁈
それぞれが見つめ合う表情が面白い!

・卒業試験の軍事演習。
ライズマン少佐を目の敵にするブリード大佐(ライアン)の司令部を占領する恩赦部隊の活躍振りは楽しい‼️
コミカルな展開。

・後半、敵地へ潜入してからは、アクシデントが相次ぐシリアスな戦闘シーン。

・やっぱりヤバい奴、マゴット⁈

・最後に脱出に使う敵のハーフトラック(前輪はタイヤ、後ろはキャタピラ)は貴重な本物⁈
当時はまだ稼働する実物があったんですネ〜!

余談ながら、
ロマコメの名作
『めぐり逢えたら』(1993)
監督 ノーラ・エフロン
主演 トム・ハンクス メグ・ライアン

で本作の話題が登場。
サム(ハンクス)と友人夫婦が食事しながら、映画について語る場面で友人奥さんは、『めぐり逢い』を絶賛し、
サムと旦那は、この作品を絶賛するシーンを思い出した。
胸熱シーンはあったが、泣ける場面なんかあったっけ⁇

アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が2001年に発表したスリルを感じる映画ベスト100では、65位に選出。

スルメ作品。


【忘備録】ネタバレあり
(キャスト)
・ジョン・ライズマン少佐
Major_Reisman
- リー・マーヴィン 森川公也
恩赦作戦指揮官

・ウォーデン少将 General_Worden
- アーネスト・ボーグナイン 水鳥鉄夫
恩赦作戦にライズマンを任命

・アーチャー・J・マゴット
- テリー・サバラス
罪状 殺人
判決 絞首刑
自らを神の道具と呼び、女性殺害の罪を正当化するサイコパス。

・ジョセフ・T・ウラディスロー
Joseph_Wladislaw
- チャールズ・ブロンソン 小林清志
罪状 殺人
判決 絞首刑
元将校。敵前逃亡を図った上官を射殺。
ドイツ語に堪能。

・ロバート・T・ジェファーソン
Robert_Jefferson
- ジム・ブラウン 飯塚昭三
罪状 殺人
判決 絞首刑
真面目な黒人だが激しい虐待を加える白人を殺人。

・ヴィクター・R・フランコ
Victor_Franko
- ジョン・カサヴェテス 寺島幹夫
罪状 強盗殺人
判決 絞首刑
シカゴギャングの顔役。

・クライド・ボーレン軍曹Sgt._Bowren
- リチャード・ジャッケル 納谷六朗
MP軍曹

・マックス・アンブラスター少佐
Major_Max_Armbruster
- ジョージ・ケネディ 藤本譲

・エヴェレット・ダッシャー・ブリード大佐 Col._Everett_Dasher_Breed
- ロバート・ライアン 北村弘一
ライズマン少佐の上官。
犬猿の仲

・スチュアート・キンダー大尉
Captain_Stuart_Kinder
- ラルフ・ミーカー 村松康雄

・デントン准将
- ロバート・ウェッバー

・ヴァーノン・L・ピンクリー
- ドナルド・サザーランド 仲木隆司 
罪状 ⁇
判決 禁錮30年

・ペドロ・ヘミネス Pedoro_Jiminez
- トリニ・ロペス 増岡弘 
罪状 ⁇
判決 懲役20年

・サムソン・ポウジー Samson_Posey
- クリント・ウォーカー 徳丸完
罪状 殺人
判決 絞首刑
巨漢の馬鹿力の持ち主。

・タソス・R・ブラヴォーズ
- アル・マンシーニ 野本礼三
罪状 ⁇
判決 懲役20年

・ミロ・ヴラデク
- トム・バスビー
罪状 ⁇
判決 懲役30年

・グレン・ギルピン
- ベン・カルーザス
罪状 ⁇
判決 懲役30年

・ロスコー・レヴァー
- スチュアート・クーパー
罪状 ⁇
判決 禁錮20年

・カール・モーガン伍長
- ロバート・フィリップス

・セス・K・ソーヤー
- コリン・メイトランド
罪状 ⁇
懲役 20年


【評価・影響】(Wikipediaより)
本作が確立した、「特赦をちらつかされた犯罪者などから成る寄せ集めの部隊が特殊作戦に従事する」というプロットは、後の映画などに大きな影響を与えた。
いわゆるマカロニ・コンバット(イタリア製B級戦争映画)映画にも、本作のプロットを模倣したものが多かったそう⁈

その他
・『ダーティ・ヒーロー/地獄の勇者たち』(1985年)過去鑑賞
・『殺人軍団ダーティ・ミッション/特攻大作戦3』(1987年)過去鑑賞
・『殺人軍団フェイタル・ミッション/特攻大作戦4』(1988年)観たか不明⁇
・このほか、1988年には全11話のテレビシリーズが制作。

【他関連作品】
・『燃える戦場 』(1970)
- 高倉健が出演したオルドリッチ作品で、本作のスピンオフ的な作品。

・『地獄のバスターズ 』(1976)未見
- 本作のプロットに影響を受けたマカロニ・コンバット映画。

・『特攻ギャリソン・ゴリラ 』(1967-68)
“Garrison's Gorillas”
- 本作に影響を受けたテレビドラマ。
子供の頃、観ていたシリーズ。
“俺に鍵は無用だぜ、金庫破りのカジノよ!”

もちろん近年でも本作をオマージュ元とした『イングロリアス・バスターズ』(2009)、『スーサイド・スクワッド』(2016)シリーズなど…



過去レビュー


リー・マーヴィン主演の戦争アクションB級作品。

第二次世界大戦中、重犯罪者を集めて特殊作戦部隊が結成。
その作戦部隊の猛訓練からフランスに乗り込み秘密作戦で暴れまくる!
リー・マーヴィンがその部隊の指揮官を演じる。
訓練最終日にご褒美に街の女性達を集めてのドンチャン騒ぎや、フランスへの潜入後のドイツ軍の慰安施設の城への潜入場面などサスペンス的な描写や戦闘シーンなどのアクションが楽しめる!
描写は抑えてあるが、結構過激なシーンあり‼️
この後、続編や似たようなTV映画シリーズも製作されるなど人気のあった作品です。

昔のTV映画シリーズの特攻ギャリソンゴリラはこの作品から生まれた⁈
再放送しないかなぁ‼️

スルメ作品

録画日 2007/4/27
ナツミオ

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