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七つまでは神のうちのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

七つまでは神のうち(2011年製作の映画)
4.0
荒涼とした丘。赤ん坊を連れた1人の母親の姿が見える。彼女の口からは童謡『とうりゃんせ』のメロディが聞こえていた……。とある教会。虚ろな表情の繭(日南響子)は、学校にも行けず、すがるような思いで神に祈る日々を過ごしていた。10年前のとある事件をきっかけに、心を深く閉ざしてしまったのだ。そんなある日、彼女は教会の帰り道に不審なワゴン車を目撃。車内には、憔悴しきった1人の少女が拘束されていた。驚いた繭は、父とともに走り去るワゴン車を追跡する。やがて山道から森の奥深く進むうち、父は何者かに殺害され、繭も忽然と姿を消してしまう……。閑静な住宅街のとある家庭。信心深い主婦の真奈(桐島れいか)は、繰り返し見る悪夢に苛まれていた。それは、7歳の一人娘さくらを神隠しで失うという不吉なもの。やがて悪夢は的中。ある晴れた午後、さくらは出かけたきり、二度と戻ってこなかった。ショックのあまり、精神の均衡を失ってゆく真奈。そして、ついには真奈自身も姿を消してしまう。これらの失踪事件の一方、運命の糸が互いに共振するように不穏な動きが少女たちの身辺に起きていた。ホラー映画の撮影中、新人女優の麗奈(飛鳥凛)はスタッフ(駒木根隆介)の誘いを逃れ、帰り道にロケ現場である廃校近くの森に足を踏み入れる。さらに、親戚の家で不気味な日本人形に恐怖を感じた薫(藤本七海)も、いつしか同じ森に導かれていた。すべてのカギを握るのは、10年前に発生した少女失踪事件。いったい、あの森で何が起きているのか?やがて、彼女たちを繋ぐ因果関係が明らかになった時、そこにはあまりに不条理で沈痛な運命の皮肉と、激しすぎる情念に彩られた人間模様が浮かび上がってくる……。
「ほんとうにあった怖い話」シリーズの監督だけに、無人の校舎に現れる不気味な影や古びた人形などじわじわくるリアルな怖さの演出が、光っている。神隠しと思わせつつ行方不明になる4人の関係が明らかになる中で、その村の言い伝えと4人の秘密に関係していることが明らかになるという展開がユニーク。実話的な心霊現象と人間の怖さが組合わさったホラーサスペンス映画。日南響子、飛鳥凛の好演が、印象的。
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