ナツミオ

ブラックブックのナツミオのレビュー・感想・評価

ブラックブック(2006年製作の映画)
4.0
WOWOW録画鑑賞
レビューしてなかったので3,4回目の鑑賞。

ナチスドイツ占領下のオランダでレジスタンスに参加したユダヤ人女性が辿る数奇な運命を鬼才バーホーベン監督が描く戦争サスペンス作品の佳作。

2006年蘭・独・英・ベルギー合作
監督・脚本 ポール・バーホーベン(『ロボ・コップ』、『氷の微笑』、『トータル・リコール』)
脚本(共同) ジェラルド・ソエトマン
出演 カリス・ファン・ハウテン トム・ホフマン セバスチャン・コッホ デレク・デ・リント

1944年9月ナチス占領下のオランダ。
ユダヤ人歌手ラヘル・シュターン(ハウテン)は隠れ家を追われ家族と共に逃亡するも途中待ち伏せていたナチスの攻撃を受けラヘルの家族も含め全員射殺される。
辛うじて湖に飛び込んだラヘルは九死に一生を得る。
ナチスは殺したユダヤ人達から金品を略奪して、ラヘルはその光景を目撃する。ある農家に助けられたラヘルはレジスタンスへ参加し、名前もエリス・デ・フリースと変え髪の色も金髪に変え復讐を誓う。
レジスタンスのリーダーからの依頼で敵ナチス親衛隊の指揮官ムンツェ(コッホ)の愛人となって動向を探る任務に就くが・・・

バーホーベン監督がハリウッドで成功し故国オランダで製作した戦争サスペンス。

この監督らしく、レジスタンスが善、ナチスが悪としてははっきり描かれず、また暴力、エロ、グロい糞描写の本領発揮。

エリス(ラヘル)がムンツェを本当に愛したり、レジスタンス内の対立や内部に潜む裏切り者により、エリスが裏切り者として追われたり、ナチス内での確執があったりとサスペンスとして楽しめる。

主演のエリス役カリス・ファン・ハウテンはオランダ人の女優さんだが劇中でも歌手役で歌ったりとプロの歌声とヌードやラブ・シーンも本作で惜しげも無く披露。
下も金髪に染めている場面で、ヒリヒリする!と言いながら側で見ていたレジスタンスの彼とのラブシーンなど熱演。

本作後、私生活でもムンツェ役のセバスチャン・コッホと一時交際していたり、2015年から俳優ガイ・ピアースと交際、翌年彼の子供を出産という経歴。メチャ美人では無いが惹きつけられる魅力がある女優さん。

戦争サスペンス作品だが、戦争直後のオランダ国内、建国間もないイスラエルも描かれ一風変わった作品。

余談ですが・・・
カリス・ファン・ハウテン(Carice van Houten)の綴りを見てオランダのココア・ブランド「バン・ホーテン」と何か関わりがあるのか気になります。

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