お気に入り監督作品記録。29日に向けイーライ・ロス作品を再鑑賞。
こちらは初監督作品にして、タランティーノにも感銘を与えた怪作(2016年にリブートもされた)。
山奥の山小屋(キャビン)を訪れた五人の若者達を次第に蝕む謎の“感染”……。
“キャビン・フィーバー”とは元々、狭い空間に閉じ込められる事で心身に異常をきたす過敏症を意味するらしい。
この言葉をそのまんま山小屋(キャビン)を舞台にし、恐ろしい症状や、突然の事態で理性を失っていく人間の混乱を描いている。
享楽的な若者達が……というホラーパニックを地で行きつつ、群像劇・ユーモア・特殊メイクの良さには初監督当時からイーライ・ロス作品の良さが盛り込まれている。
登場人物の頭数に見合ったそれぞれの個性(無駄なキャラがいないし、それぞれどんな人かが分かりやすく、それぞれの性格ならではのシーンがある)。
ナンセンスさ、拍子抜け感に似た、ユーモアあるBGMや演出。
目を覆いたくなる傷や死体を出しまくりつつも 露悪的にはしゃぎすぎないゴア具合の塩梅。
感染をテーマとしたストーリーでありながら
“感染者の襲撃が無い”
という、感染そのもの(苦しい症状や忍び寄る発症の兆し、感染者を忌避する人間間の本性剥き出しの衝突)を恐怖として描いた味が魅力。
『キャビン・フィーバー』も『ホステル』同様途中から別監督になるが、私の好きなタイ・ウェスト監督に引き継がれた事は個人的に嬉しい。