発見された死体は検死の結果ペストに
罹っていたことが判明。
48時間以内に犯人を逮捕しないと
伝染病が蔓延してしまう....
というあらすじ🎬

設定がすでに面白い🤤
注射の下りと綱渡りが笑ける😂
あと終盤思ったけどフィッチ声高いな。笑

誰もいない観客席を
見て、ふと思う…
いつ終わるのかと。

そんな時に
家にあったクラシック作品
を手に取ったら…
Virusパニックの古典！

エリア・カザン監督の
硬派な筆致が光る。

「暗黒の恐怖」

ニューオリンズ。いとこを頼り、船で密入国した男がポーカー中に気分が悪いと言い出し席を外そうとした。だがギャングのブラッキー達は負けた金を取り返すために、その男を殺してしまった。翌朝発見された遺体は検死に回される。不審なものを感じた医師は公衆衛生局のリード医師を呼び出す。リードは即時に遺体が肺ペストである事を見抜き、刑事たちとパンデミックを防ぐため、殺害犯を追う！

まずこの時代にパンデミックものがある事に驚きました。クラシックの全集の中の1本だったので気付いていませんでしたし…。

48時間がリミットとされ、保菌者である犯人を追うクライムサスペンスとして成立しています。しかも発表してしまうと保菌者である犯人が逃げて、他の都市も危険になるため、発表もできない。時代と地域性故に、感染症の知識のない民衆または警察や役人を嫌っている人々により中々犯人に近づけず、サスペンス性を高め、中々面白いですね。

アメリカ人の格差をまた表してます。昨今の出来事と同じで、多くが知識もなく、迷信深く、かつ陰謀説を信じてしまう。その一方で家族、そしてアメリカを守るため戦う、優秀な人材も数多いると言う…。

台詞の中で、１時間もあれば他の州にいけて、明日にはエジプトにも行ける！だから絶対に犯人をこの街の外に出しては駄目だ！とリード医師が言うのですが、正に昨年聞いたお話で…。この時代にも飛行機はありましたし、世界は既に繋がっていましたね…。

恐ろしさを理解しない警部と医師がコンビとなり、犯人を追うスタイルなのでバディものの要素があるのですが、そこはやや弱く、その分犯人達に尺が割かれています。

主犯であるブラッキーにジャック・パランス。中々の凶悪ぶりで印象に残りますよ。強面な上に、やる事も欲望に一直線で…。病人を放り出す階段のシーンはびっくりします…。これがデビューとは思えません。

主役のリチャード・ウィドマークは悪役が多かったのですが、こちらでは正義の医師。街、アメリカを守るために必死に犯人を追う姿はかなりのカッコ良さ。それを支える奥様役もお似合いでした。（ちょっとウザいけど…（笑））

確かに防護服もでてこないですし、科学公証はどうかと思いますが、クライムサスペンスとして良くできていますし、ナイト撮影の光と影の演出も巧みです。また社会派エリア・カザンらしく、発表しようとする新聞記者や街だけを守ろうとする市長たちなど、正しいことはどれなのか、考えさせる部分もあります。エンターテインメントでありながら硬派な印象を残す佳作だと思います(^^)

• #時にはこんなクラシックサスペンス編

LD整理で発見
米国輸入盤で再鑑賞しました。

ニューオリンズで発見された射殺死体。
検死の結果、被害者は肺ペストに冒されていたことが判明する。
実は被害者は密航者でありポーカーの勝敗を巡るいざこざのため、ギャングのブラッキーに殺されていたのだった。
そして、街全体に伝染病が蔓延することを恐れた警察署の捜査課長ウォレンは、保健衛生局のリードとともに捜査を開始するが、感染拡大へのタイムリミットは48時間だった。

ニューオリンズのむさ苦しい通りや臨海地域を舞台にして、冒頭から重厚なモノクロ映像で、独特の雰囲気を醸し出している。この感じ好きなんですよ。

単純な殺人事件と最初のうち思われていたものが、一転して時を争う事件に展開していくくだりはさすがです。

そして伝染病の蔓延を防ごうとする当局と、肺ペストのことを知らずに私利私欲の行動に走る犯人との対比が上手く描かれながら、クライマックスの倉庫での銃撃戦へと物語は展開していきます。

一つ残念なのは、ラストでブラッキーがあっけなく...してしまうところ。本当に残念でした。

それでも、本作がデビュー作となったジャック・パランス(ブラッキー役)のサイコパスぶりは、たいへん印象に残るものでした。