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サブウェイ123 激突のnorisのレビュー・感想・評価

サブウェイ123 激突(2009年製作の映画)
3.3
70年代のベストセラーをウォルター・マッソーで映画化したもののリメイク。他にテレビ映画もあったらしい。犯人はジョン・トラボルタ、地下鉄の管制官はデンゼル・ワシントンだが、原作ではNY市側は群像劇になっていて管制官はその一人に過ぎないらしい。

地下鉄ハイジャックの草分けというわけだが、実はトラボルタはウォール街のブローカー出身で、事件を起こすことによって株価を下げ、安全資産である金の暴騰を見込んで一山当てようとしているとのこと。実際に9.11のときにはそういうコトが起こったらしいが、これしきの事件でどの程度それがリアルなのかは疑問。

何かと秒読みして圧をかけるトラボルタはいかにもブローカーっぽいのだが、ワシントンにも賄賂疑惑の弱みがある。この賄賂事件が曖昧で、ただの疑惑なのか会社にハメられたのか、釈然としない。事件へのモチベやトラボルタの信頼度にも関わるのでハッキリさせてほしかった(ラストシーンで市長がもみ消すようなことを約束するので、実際に収賄したということなのだろう)。ワシントンの妻(アーンジャニュー・エリス)も夫の不運に苛々しているようなので、どちらかわからないのは困る。

後半はコニーアイランド目指して時速100kmで暴走する地下鉄のスリルと、それをマンハッタンブリッジを逃げるトラボルタの追跡劇になるのだが、今見るとちょっと地味。トニー・スコットは翌年「アンストッパブル」という暴走機関車ものを撮っている。
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