ガリガリ亭カリカリ

僕の初恋をキミに捧ぐのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

僕の初恋をキミに捧ぐ(2009年製作の映画)
2.9
これは結構すごい映画だ。

まず始まってすぐに病室で小学生男女同士がお医者さんごっこをしていて、女の子が男の子の胸に聴診器を当てながら「こりゃあ大変ですね、さあ、服を脱いで!ズボンも脱いで!パンツも脱いで!」と全裸を強要する。
男の子が逃げた先の部屋で、女の子の父親の医者(中村トオル)が男の子の両親に対して「息子さんは心臓病で20歳まで生きられません」と余命宣告されているのを盗み聞きしてガーンとなる。

それから月日が経って高校生になった男の子(岡田将生)と女の子(井上真央)は交際関係ではあるけれど、心臓病のせいでセックスができない。恋愛のドキドキが病気の障壁として設定される。
突然、井上真央にバケツの水をぶっかける男子たちが登場して、井上真央の透けたブラを見る。それに激怒した岡田将生が男子たちをフルボッコ。井上真央にビンタされて休戦。
保健室で休む岡田将生が「だって俺が最初にお前のブラ見たかったんだもん……」とスネていると、井上真央がベッドの周りのカーテンを閉めて「じゃあ今ここで見せてあげる」と言って上着を脱ごうとする。ドキドキ。すると岡田将生「ああ、ちょっと待って!心臓が痛い!む、胸が苦しい……」爆笑した。

中村トオルが岡田将生の主治医で経過診察しているのだけれど、岡田将生が「先生、ちょっと聞きたいんだけど、俺の運動制限ってどの程度のものなの?走るのは息が切れるからダメだとして、走らないスポーツならいい?」「走らないスポーツ?」「たとえば弓道とか」「弓道?」「セックスとか」(←突然すぎる)「(中村トオル、沈黙して鉛筆をブチ折る)そ、そのスポーツは誰とするつもりだ?!」「せ、先生のお嬢さんとはしませんよォ汗」「……まああれは、人にもよるけど、確かに体力は使うねェ……」という会話があって、これも爆笑した。

こんな感じで、思い付かないようなギャグセンが発揮されていてコメディとして楽しいのだけれど、所謂泣ける難病モノとして企画されているので、これで泣く人もいれば笑う人もいる、と嗜好の視野を広げることの大切さを知った。