ガリガリ亭カリカリ

101匹わんちゃんのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

101匹わんちゃん(1961年製作の映画)
4.5
101本目なので。
既存の鉄則をブチ破った、脱ウォルト・ディズニーなモダンアニメ。物語舞台が現代であることや敢えてミュージカル的手法を選ばない作劇はまだしも、線が残る作画にウォルトは嫌悪感を示し、長年認めていなかったらしい(死ぬ直前に認めてくれた)。

その作画がモダンというかめちゃくちゃオシャレで軽快で楽しいし、何よりオープニングクレジットが超絶モダン。めっちゃオシャレで粋でかっこよくて可愛い。
衣装やロンドンの街並みや色彩設定に至るまで、現代の感覚が研ぎ澄まされていて素晴らしい。
一部、実写のミニチュアで撮影されたというカーチェイスにおける雪の質感表現も、マジック起きすぎていて凄まじい。

あとダルメシアンの1匹、ぶよぶよの太っちょの子が終始、どんな時も台詞が「お腹空いたよぉ」なのがめっちゃ愛おしい。

クルエラが煙草吸いまくり、真緑の煙吐きまくりなのはとても良い。最後、目を血走りさせながらデビルカーでマッドマックスならぬワイルドスピードならぬ乱暴な運転するのもめちゃくちゃ可笑しい。車が大破してメソメソと泣くのも良い。

ウォルトさんの古典主義な作風ばかり聞いてらんないスよ!な若者のアンチテーゼとして観れば、アニメーションが現代を描くこと、そして何も重厚で深みがあるものばかりではなく、軽くて楽しくてオシャレなものだってクラシックになり得るんだという姿勢は素敵だと感じる。