ゴン吉

イントルーダー/怒りの翼のゴン吉のレビュー・感想・評価

イントルーダー/怒りの翼(1990年製作の映画)
3.9
ベトナム戦争を舞台にしたアメリカ海軍艦上爆撃機のパイトットの活躍を描いた戦争アクションドラマ。

ベトナム戦争開戦7年目の1972年9月、アメリカ海軍の艦上爆撃機A6Bイントルーダーのパイロットであるグラフトン大尉は、北ベトナムのトラック基地とされる密林の爆撃を行うが、戦果は空振り。
その上、帰還途中に対空小火器により被弾し、同乗していた相棒の爆撃手が亡くなってしまう。
攻撃目標の意味に疑問を持ったグラフトンは、攻撃が禁止されているハノイへの爆撃を新しくバディを組んだ上官に相談し、軍令である発電所の攻撃に乗じて勝手にハノイのミサイル基地を爆撃する。
その結果、和平交渉が決裂し、全面戦争となり多くの犠牲者がでる。
グラフトン大尉は、軍法会議にかけられるが……

悪名高きベトナム戦争を舞台に、攻撃目標の意味に疑問を持ったパイロットの苦悩と、戦友との友情、戦争未亡人、命令違反などを絡めて描いている。
本来であれば、戦争は国家レベルの戦闘であるはずですが、”個人の戦い”と捉えて命令を無視して勝手に攻撃する兵士や、それを隠ぺいする軍などが正しいかのように描かれていて残念です。
骨太作品になる要素を取り上げながらも、再三の命令無視を繰り返して多くの犠牲を出したパイロットをあたかも英雄のように扱っており、アメリカの狂気じみた恐ろしさを感じる。
ラストでは更なる相棒を失ったのにもかかわらず、笑顔でハッピーエンドで締めくくっており、軍事大国アメリカの異常さが伺える。
アメリカ人の本音を垣間見ることが出来る作品です。 

2022.2 地上波・テレ東にて鑑賞(吹替)
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