ヒラリー

箱根風雲録のヒラリーのレビュー・感想・評価

箱根風雲録(1952年製作の映画)
3.9
水難映画は良い作品が多いな。。
洪水で炭鉱が水没したどたんば、水難で井戸を掘り当てようとした古井戸、湖から水を引いて農民達を助けようとした箱根風雲録

江戸時代、水がなく稲作が出来ない土地で芦ノ湖から水を引く計画が立てられる。
浅草の友野与右衛門(元締めさん)は地元農民と山の両側から削り水路を作っていたが幕府の威厳が保てなくなると考えた役人は度々この計画を妨害していた。
幕府からの支払いは滞り、水路工事で働く農民に賃金も渡せない。
農民たちは賃金貰ってないから子を食わせてやれない、元締めさんに命張れない、だから働かないと工事は中断
負の無限ループの中、元締めさんの奥さんりんが出した決断は単身江戸に行き、集められるだけ金を集めて戻る事
そして農民を説得して再着工してもらう事。
最初は儲けの事も視野にあった二人がなりふり構わず、皆と同じ百姓になるという志を見せてからの団結力は目を見張るものがあった。
子供の頃にやった砂場で山作って両側から穴掘って貫通させて水流す遊びものもなかなか達成感あったけどこれは規模が桁違い。
水門を開けて流れる水を百姓皆が追いかけて流れる水路に入って歓び、トンネル向こうから本当に流れてくるかという緊張感も共感出来る…
山賊?の長も最初は元締めの頭を利用してたが彼の人の良さに影響されて善人になってたし…役人以外は皆善人なんや…
歓喜の狼煙に一筋の涙、犠牲者の上に成り立った水路が今も変わらず流れてる。
歴史からも消し去られ記録にも残らぬこの男達の闘い
最後の字幕も泣かせるねぇ。
ヒラリー

ヒラリー