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誰がためのmiumiuのレビュー・感想・評価

誰がため(2008年製作の映画)
4.0
マッツ・ミケルセンの出演作を追いかけて鑑賞。
ナチス占領下のデンマークでレジスタンス活動を行っていたフラメン(トゥーレ・リントハート)とシトロン(マッツ・ミケルセン)を描く実話ベースの映画。
原題は『Flammen og Citronen』。本国だと名の知られた人物なのかな。

映画自体はシリアスに淡々と進む。
上からの指示に従い、ナチスに協力的な人物を暗殺するフラメンと、彼を現場に運ぶ役割を担うシトロン。2人は親友同士。
フラメンの恋も描きつつ、暗殺指令そのものが、ナチスへの対抗以外の意図をもって行われていたのか…? 何のために手を血に染めてきたのか…? となる展開が切ない。

個人的にグッときたポイントは、あくまでも現場への輸送担当で殺しに手を出したことのなかったシトロンが徐々に銃の使い方を覚え、フラメンを逃すために捕まった結果、最後は銃器を駆使して戦うことになった展開。
一方でフラメンは、最後は戦いとは別の方法を選ぶのが皮肉……。

戦争映画として観たけれど、フラメンとシトロンの友情の映画として観ると、また新たな視点が開けそう。
いずれ再鑑賞したい良作。
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