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ウェディング・バンケットのatyのネタバレレビュー・内容・結末

ウェディング・バンケット(1993年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

このシリーズは全部良い。李安監督のファンになりそうだ。

冒頭のシーンの見せ方が、飲食男女に似ていた。ひたすら料理するのに対して、ひたすら鍛える姿を至近距離で撮る。やっぱり好きな映画は、最初から「良い」と思える。

郎雄さんが登場した時の安心感がすごい。ああこれで更に面白くなる…と。威威もどんどん綺麗になっていって、好きになってしまいそうだった。

同性愛と偽装結婚など、かなりセンシティブな問題を扱ってるにも関わらず、爽やかな笑いが沢山差し込まれる。威威の料理をギリでキャッチする賽門と、目隠し夫あてゲームで、赤ちゃんを選ぶシーンがお気に入り。
結婚式のシーンでは、みんなかなり幸せそうで、とても良い気持ちだった。不安がっているのは、真実を知る3人と、見ている鑑賞者のみ。知らなければ、こちらもニコニコして見ていられたのに、と口惜しく思うほど、一連のシーンの幸福感が素晴らしい。光の入れ方とか、少し靄がかかった絵など、カットの良さがそれを支えていると思う。

3作ともに共通することは、仕事にプライベートに充実している子世代に対して、親世代は引退済みで、(子世代から見ると)少し退屈な生活に見えること。また、大体のことで親世代の考えは一歩先を行っていること。結局、こんな親に隠し事なんてできない。人生経験からしか得られない含蓄を描き出すシナリオと、それを演じ切る役者陣に感服。
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