このレビューはネタバレを含みます
現代においても置き換えられる観点が本作にはあると思う。
○セカンドレイプに怯える書記官の女性→MeToo運動でも取り上げられる司法の問題
○サムやマックスの私刑→ネットリンチや昨今の法の支配の否定
○思春期の不安定差を利用するマックス→SNSで子どもを狙う犯罪者ども 等々
制作者には「そんなこと言ってねぇよ」と言われるかもしれないが、上記のようなことを考えながら鑑賞した。
しかし、「男性の気持ち悪さについての映画」とのレビューを読んで、そういった観方もあるか、と思わされた。
確かに、終盤で復讐として妻子をレイプしようとするマックス(なお、レイプ犯のくせにレイプされたことへの被害者意識が強い)や暴力に訴える割には役に立たない探偵に対して、ベットに押し込まれつつ銃を奪おうとするリーやオイルで反撃するダニエルは、男性よりしたたかに生きる女性として描かれてる気がする
(なお、サムは言わずもがな、、)
また、こういった映画で悪役を倒してハッピーエンドだと、イマイチ捻りがないが、本作では最後にサムが血に塗られた手を必死に洗うのが印象的
その方面の教養が全く無いのだが、やたらと聖書を引用していたことから、「罪人を石で打ってよいのは一度も罪を犯したことがない者だ」的なキリストの言葉を思い出した。
マックスが笑いながら沈んだのは、サムの悪人としての一面を家族にも、本人にも知らしめてやったからなのだろうか?
色々と妄想をさせるだけの厚みがある映画だったが、根源はやっぱりデ・ニーロかな?
いや、でも劇場でのシーンはジュリエット・ルイスもすごかった。
後、これこそ「男性の気持ち悪さ」なのだが、個人的には刑務所でレイプされたことの怒り、ダニエルを手玉に取り得意げになりつつも、リーに復讐の対象は私にしてと言われたときの戸惑い等、マックスの気持ちが分からんでもない、、、
いろんな見方ができるなぁと思いつつも自分のポジションを思い知らされた気がする