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襲われた幌馬車のHKのレビュー・感想・評価

襲われた幌馬車(1956年製作の映画)
3.8
CS録画したまましばらく放置していましたが、思いのほか観応えのある作品でした。
タイトルに“幌馬車” がつく西部劇は多く、当たりハズレもありますが今回は当たり。
リチャード・ウィドマーク(当時42歳)主演の映画を観るのはかなり久しぶりです。
原題は“The Last Wagon”。

主人公コマンチ・トッド(ウィドマーク)はインディアン(コマンチ)に育てられた白人で殺人犯のお尋ね者。
主人公は冒頭のシーンでいきなり遠くから馬に乗った人物を狙撃して殺してしまいます。
その後に保安官に捕まり連行される途中で幌馬車の移民団と合流、護衛も兼ねて保安官とお尋ね者は移民団と一緒に移動しますが・・・

映画が始まってしばらく、主人公が善人か悪人かは観ている我々にもわかりません。
幌馬車の移民団は一般の家族たちで女性や子供も多く戦力はほぼ期待できず。
そこにアパッチが襲撃してきて大勢が殺される悲惨な展開となります。
偶然生き残った少数のメンバーはアパッチの死の谷からの脱出を図りますが・・・

単純な勧善懲悪の物語ではなく展開が読めないため目が離せません。
予想外に人種差別や殺人と戦争の違いなど多くの問題に踏み込んだ作品でした。
監督はデルマー・デイヴィス。初めてインディアン目線を取り入れた西部劇とも言われる『折れた矢』の監督でした。なるほど。

生き残ったメンバーの内、女性3人がみんな揃って美人。
とくに協調性が無く足を引っ張る女優が一番キレイ。計算ずく?
同じく足を引っ張る若者に見覚えがあると思ったら、東宝特撮の『怪獣大戦争』『フランケンシュタイン対地底怪獣』に出ていたニック・アダムスでした(離婚するから結婚しようと水野久美をしつこく口説いたとか)。

音楽は作曲家ファミリーのライオネル・ニューマン。
観ていない古く面白い西部劇はまだまだあると実感しました。
『折れた矢』もアマプラとU-NEXTにあったので早速観てみようと思います。
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