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荒野の三悪党のHKのレビュー・感想・評価

荒野の三悪党(1969年製作の映画)
3.3
『続・夕陽のガンマン』で一気に株が上がったイーライ・ウォラックを主役に抜擢したマカロニ・ウェスタン。
原題は“I quattro dell'Ave Maria ”(アベ・マリアの4人)
って邦題は3悪党なのに1人多い?
英題は“Ace High”(大人気、素晴らしい、という意味の他にカードゲームではAが最強という意味も兼ねている模様)。

以前本作を観たときに三悪党の残りの二人は誰だろうと思ったら、なんとマカロニ後期の人気ギャグ・コンビのテレンス・ヒルとバッド・スペンサーだったので驚いた記憶あり。
大ヒットした『風来坊』シリーズより前でこの頃はまだ2人のギャグも薄味。
でもバッド・スペンサーの“バンビーノ・パンチ”(握り拳を振り下ろすやつ)は既に存在。

内容はほぼ忘れてましたが、あらためて観てみると話が妙に複雑。
序盤のシチュエーションがわかり辛いので調べてみると、この映画なんと同監督(ジュゼッペ・コリッツィ)のキャット(ヒル)とハッチ(スペンサー)主演の三部作の真ん中の作品だと判明。
しかも1作目の続きから始まっているらしく、道理で冒頭のヒルとスペンサーの会話の中身が見えないハズ。

この常連二人にメイン・ゲストとしてウォラックが絡む形ですが、実はもうひとり綱渡りが得意な黒人キャラ(ブロック・ピータース)が仲間に加わることになり、ここで原題の“4人”に納得。
ということはこの邦題は黒人を無視した差別タイトルか?
でも4人の中でこの黒人は唯一悪党とは言えないので、“三悪党”は間違いではない?

そうなると気になるのは本作の前後の作品ですが、どうもどちらも日本未公開で今も観る手段は無さそう。残念。

出演は他に仕事が無い時期でウォラックが誘ったというケヴィン・マッカーシー(『セールスマンの死』『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』)
音楽はカルロ・ルスティケリ(『鉄道員』『刑事』『ブーベの恋人』)。
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