ShinMakita

野獣刑事(デカ)のShinMakitaのレビュー・感想・評価

野獣刑事(デカ)(1982年製作の映画)
4.0
☆mixi過去レビュー転載計画

今回もアラスジ長いから➖➖➖まで飛ばして下さい。


〈story〉
大阪・釜ヶ崎…4月5日、雨の夜。短大生・由美子が何者かにメッタ刺しにされて殺された。捜査本部に入れられた所轄・今宮署の大滝刑事は、上層部も持て余す不良刑事。被疑者に暴力を振るうわ、記者にタカってネタを流すわ、ゲスを絵に描いたような男だった。そんな大滝は、いま恵子というホステスを愛人にしている。以前シャブでパクッた阪上というチンピラの女房だった。その息子・ミノルと何とか打ち解けようとする大滝だったが、あまり上手くはいってない。そんなとき、短大生殺しが発生したのだった。
相棒になった府警刑事・三浦は、由美子が品行方正な学生だったという情報を手にしていたが、大滝は由美子が実は売春をやっていた事実を掴む。ホシは由美子の客だろうか?しかし捜査は遅々として進まなかった。大滝は現場を再捜査し、ある絵の切れ端を発見する。それは、田中という看板画家が日雇労務者相手に売っているマリア観音のイラストだった。風俗・水商売の女に敵意を持つ田中がホシと睨んだ大滝は、彼を自転車窃盗の別件で逮捕。拷問スレスレの尋問を行うが、自供させる前に捜査本部から放り出されてしまう。彼の強引な捜査を問題視した上層部の命令だった。田中は無関係と判断され釈放されるが、その直後、また雨の夜に風俗嬢が同じ手口で殺されてしまうのだった。

停職になった大滝は恵子の家を訪れるが、シャバに出て転がりこんでいた阪上の姿を見つけてしまう。阪上は改心し、真面目に働こうとしていた。恵子もそんな阪上を応援するつもりのようだ。大滝は阪上と酒を飲み、恵子と距離を置こうとする。だが、日に日に阪上は言動がおかしくなり、ついに暴力事件を起こしてしまう。やはり阪上はシャブを再開してしまっていたのだ。阪上が警察に逮捕されてしまい、幸せな家庭を築く夢が潰えた恵子。そんな彼女に、大滝はある提案をする。連続メッタ刺し殺人犯を捕まえるため、囮になってくれないか。うまくホシを上げられたら結婚して、ミノルの面倒もみてやると…恵子はこの提案に乗り、大滝が張り込む中、雨の夜道を独り歩く。捜査本部には報告せず、一人で恵子を見張る大滝だったが、一瞬の油断から恵子を見失ってしまった。その隙に犯人は恵子を毒牙にかけようと……


➖➖➖

…掛け値なしの大傑作。雨のナイトシーン撮影、風に揺れる赤い傘をスローモーションで追うとこなど、もう最初っからゾクゾクする画の連発。まさに動物的な大滝・恵子・阪上の3人の生き様も刺激的。バイオレンス溢れる性愛と父性の映画として、最高の一本。傘を差すいしだあゆみの美しさ、猟犬の眼で銃を構える緒形拳の迫力。素晴らしいですよ。
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