シミステツ

幸福の黄色いハンカチのシミステツのレビュー・感想・評価

幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)
4.0
武田鉄矢がめちゃくちゃ武田鉄矢。桃井かおりがイモっぽくてかわいい。
島勇作がムショ明けのビール飲むシーン、「千鳥かまいたちアワー」の食べっぷりグランプリでしか観てなかったがめちゃくちゃ再現性が高かったことを知る。
ヤリモクナンパ師チャラチャラの花田。花田をシメる勇作はカッコいい。子供ができたんかってシーンでの喜びから一転、流産の悲しみを経て、別れようと切り出したのは勇作の方だった。ズカズカと家庭事情に切り込む朱美はキャラ設定的に正しいし、真剣な話になると真面目に険しい表情で聞く花田の存在もあり勇作の語りが際立つ。黄色いハンカチは二人の愛の印。

ロードムービーってこういうことだよ。武田鉄矢は「武田鉄矢」らしさを失っていき、桃井かおりはどんどん「桃井かおり」らしくなっていく。その移ろいのど真ん中に揺れ動く高倉健を据える。旅は葛藤であり逡巡であり、終着点は確かな愛だった。

「キスだけよ」

「おなごっちゅうのは、弱いもんなんや」

「黄色いハンカチにしよっか」

「黄色いハンカチが見えたらお酒買ってきて」

「悪いけど勇さんの奥さんって冷たいね」