しろくま

南国土佐を後にしてのしろくまのレビュー・感想・評価

南国土佐を後にして(1959年製作の映画)
3.2
2022.9.06/193/GYAO
〝兄さん、とうとう帰ってきたよ。刑務所であの歌を聞いた時、俺は東京を引き払って、母さんと地道に暮らそうと決めたんだ。その歌は、14年前に兄さんが出征する基地で…〟

兄さんの恋人が歌った〝よさこい節〝にそっくりな〝南国土佐を後にして〟。刑務所の慰問でペギー葉山さんが歌ってくれた歌なんだけど、これって当時ミリオンヒットの歌謡曲にあやかったコラボ企画。映画には、ペギーさんも出演して歌を披露。哀愁漂うとってもいい曲。もともとは陸軍で歌われていた歌だったみたいだけど、今ではすっかりペギーさんの代表曲だし、高知県のふるさとソング。ただ、土佐って南国?南国と言えば、あの頃だと新婚旅行のメッカ宮崎県だと思うけど…。南国と言えば〝南国しろくま〟っていうアイスもあるけど、考えたらこれもミスマッチ。

刑務所で聴いた〝南国土佐を後にして〟に心を打たれ、まっとうに生きると誓った譲司(小林旭)。出所後、故郷の高知に戻るが、恋人春江(浅丘ルリ子)を奪われた上に就活もうまくいかない。就職が決まりかけても、そのたびに、春江の許婚の男や昔の仕事仲間に邪魔をされ…。妨害に会う苦しみは誰よりも分かっている筈なのに、ペギーさんがせっかく歌っているのを譲司が妨害する展開って何?そして最後は…。この流れは更生しようと奮闘する話と違うような…。でも、あの頃のルリ子さんはめちゃめちゃかわいいので大満足。
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