しろくま

里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨のしろくまのレビュー・感想・評価

3.2
《私は義実の昔から里見に恨みがあるのです》
〝伏姫を犬に与えるようにしたのも私がしたこと。私が生まれたのは800年も昔。私は何百年もの間、人の心を堕落させ悪徳をはびこらせてきた。でも里見の一族は…〟

〝地位を兼ね備えて仁徳をもって国を治めるから、私の入る隙がない。だから、私は里見家を滅ぼしてやる〟って何?誰からも慕われている善きリーダーの里見の一族が目障りだって言うだけで恨み続けてきたって訳?それじゃあ、あまりにも里見家の人達が可愛そう。とんだ巻き込まれ案件だけど…。

原作はそうじゃないんだけどなあ。その昔、里見義実は、逆臣山下定包を討つ際、定包の妻玉梓を助けてやるって言っていたのに殺してしまうんだよね。玉梓は〝里見の子孫を畜生道に落とし、煩悩の犬にしてやる〟と呪詛の言葉を残して斬首され…。

NHKの人形劇〝新八犬伝〟でも度々出てくる凄い形相の女の人が、亡くなった玉梓の怨霊で、いろいろと悪さをするのだけど…。本作では、その玉梓の恨みを描かないから、何か浅~い勧善懲悪のお話になってしまっていて、これじゃあダークサイドに落ちた玉梓が浮かばれないね。

原作と違うのは犬塚信乃の恋人の浜路も。原作では、途中で亡くなってしまう浜路だけど、本作ではなんと…。まあ、面白けりゃいいじゃんっていうことだね。

視聴メモ:2024.05.12/054/東映時代劇Youtube
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