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戦争と青春のtheocatsのレビュー・感想・評価

戦争と青春(1991年製作の映画)
2.0
ネタバレ
アイドルプロモに戦争悲劇を組み込んだ愚作

監督としては戦争悲劇を伝えたかったであろうことは疑いえない。それは空襲火災場面での本当に燃えているセットの迫力などから、少なくともあの場面では本気が感じられた。

しかし、一方工藤夕貴というアイドルを目立たせる意図が大きな力としてあったことも間違いない。やたら必要性が感じられない顔のアップとか、エンドロール中の彼女のヘタな歌や映像からそれは明らかであろう。(各地協力者一覧の間に彼女の映像を挟むなんて極めて失礼!)

結果的に製作意図が散漫化し中途半端になってしまったのは実に残念。

そして、シナリオ的にもあの電柱での母と赤子の別れ場面は矛盾だらけ。

・火事で燃えることが容易に想像できたであろうになぜ弟を建物の二階に上げようとしたのか?
・二階に上がった弟になぜ赤子を渡そうとしたのか?
・電線ショートの衝撃で赤子をいわば放り投げた状態になったとしても落下地点はすぐ近くであり、その赤子を他の夫婦が拾った場面(拾わなくても落ちた場面)は姉と弟が気絶でもしていなければ目撃できていたはずではなかろうか?

というような疑問を抱いた人も少なくないだろう。

それに日本で拾われ韓国で育った、あの赤子かもしれない女性が韓国から来日した時、実の母親であるかもしれない死んだ老女にあれほど酷似しているのであれば、その弟や姪っ子らは驚いても良かったはずではなかろうか?

あの火災場面の迫力が真に迫っていた為、上の大きすぎる矛盾が無視できな瑕疵点となってしまったのは返す返す残念としか言いようがない。


総評二つ星


約30年前の作品ということもあり、俳優陣、特に女優たちが若い若い(笑。
そんな驚きがポジ点というのも悲しい話。

002008
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