ダイセロス森本

アメイジング・グレイスのダイセロス森本のレビュー・感想・評価

アメイジング・グレイス(2006年製作の映画)
5.0
ヨアングリフィズ最高。奴隷解放のために何をすればよいのか、どうすれば賛成票を得られるのか、政治と善意のストーリーである。

またこれも、感想を思い切り書きなぐりたいのでパソコンで打つことにする。

まずは配役。主人公、ウィリアム・ウィルバーホースを演じるヨアン・グリフィズ。有名なヒーロー映画、「ファンタスティックフォー」初代の主人公を演じている。私が彼を知ったのはこの映画が初めてなのだが、意識してヨアンを追い始めたのはドラマ「FOREVER」。彼の声、彼の演技に魅かれ、この「アメイジンググレイス」を見ることにしたのだ。
彼は表情が面白い。コロコロと表情を変えていくわけではないのだが、実に適切に、じわじわと表情を変化させていく。紳士のような笑顔もできれば、少年のような笑顔も作ることができる。
そしてウィリアムの大切な相棒となる、こちらもウィリアム。(ウィリアム・ピット)彼を演じるのはベネディクト・カンバ―バッチ。

歴史、実話であるために、とても平凡ではあるが、これは歴史を大きく変えた、人間を大きく変えたものである。知らない人はいない歌、アメイジング・グレイスに込められた思い、奴隷解放のために人生をささげた男たちの、汗と涙の物語だ。
だがなぜ、私たちは奴隷解放のために走ったウィリアム・ウィルバーホースを知らないのだろうか?

時代としてはフランス革命が大きいだろう、教科書にはフランス革命、白人の自由・平等・友愛を求めるために戦った人々の話が丁寧に書いてある。
奴隷解放の話には触れず、すぐに教科書のページは次の歴史へと変わっていく。私は奴隷解放に尽くしたウィルバーホースを、教科書にもっとしっかりと載せ、間違った法を変えるということの難しさ、利益と不利益、そして素晴らしさをもっと子供に伝えるべきだと思う。

この映画で、歴史、政治への関心が深まった。
そして何より恐ろしいのは、この映画を見なかったら、私は一生ウィルバーホースを知らなかったかもしれないということ。映画はただの娯楽ではない。人生を映し、歴史を映し、後世へメッセージを残していくひとつの手段である。