ナツミオ

アポロ13のナツミオのレビュー・感想・評価

アポロ13(1995年製作の映画)
3.8
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞

”輝かしい失敗(successful failure)"

3回目の鑑賞。
未レビュー、再鑑賞。

1970年に起きたアポロ13号の事故。
絶望的な状況の中、宇宙飛行士を帰還させようとする救出作戦の実話を、トム・ハンクスはじめ名優の豪華共演で描く感動のドラマ。

・第68回アカデミー賞5部門ノミネート(作品・助演男優(ハリス)・助演女優賞(クインラン))
2部門受賞(編集・録音賞)
・キネマ旬報外国映画ベストテン9位。

原題 『Apollo 13』

1995年米作品
監督 ロン・ハワード
脚本 ウィリアム・ブロイルス・Jr.  アル・レイナート
原作 ジム・ラヴェル ジェフリー・クルーガー “Lost Moon”(邦訳・新潮文庫刊)
音楽 ジェームズ・ホーナー
撮影 ディーン・カンディ
出演 トム・ハンクス ケビン・ベーコン ビル・パクストン ゲイリー・シニーズ エド・ハリス キャスリーン・クインラン

日本語字幕 稲田嵯裕里
監修 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

(NHK番組内容より)
1970年4月、月に向けて打ち上げられたアポロ13号。ところが爆発事故が発生、酸素も電力も大半を失ってしまう。
絶望的な状況の中、3人の宇宙飛行士は、地上スタッフたちと総力を結集し地球への帰還を目指す……。

アポロ11号から16号までの月面探査船計画でただ一機月に到達できなかったアポロ13号、その絶体絶命の危機と地球への生還描く人間ドラマ。

『ライト・スタッフ』(1983)で描かれたアメリカの宇宙開発計画“マーキュリー計画"から”ジェミニ"、そして、月へ人類を送り込む“アポロ計画"で初めて人類は月に降り立った。
アポロ11号による成功の翌年、3回目の月へと、アポロ13号は打ち上げられる。

1986年のスペースシャトル”チャレンジャー"の爆発事故は記憶に新しいが、その悲劇と並ぶ最大の危機を、NASAが総力を挙げて宇宙飛行士3人を無事生還させた実話の映画化。

この4日間の救出作戦に関わった人員は延べ3万人とも言われる奇跡の救出作戦を、3人の宇宙飛行士、その家族たち、管制官たち、技術者など、それに立ち向かう人たちの群像模様に胸熱‼️

SF要素でありながら、大袈裟な演出は無く人間ドラマとして描かれているのもハワード監督の手腕‼️
そしてCG、模型、合成を駆使した映像も本物と間違うほど良くできている。

主人公ジム・ラヴェル船長を、トム・ハンクスが抑えた演技で、熱演‼️

脇役で印象に残るのは、NASA主席管制官ジーン・クランツ役のエド・ハリス。
彼のリーダーシップを執る姿は的役‼️
『ライト・スタッフ』では宇宙飛行士“マーキュリー7"の一員ジョン・グレン役から、一転した役柄というのも興味深い。

アポロ13号司令船パイロット、ケン・マッティングリー。風疹によりジャックに交代させられる役柄のゲイリー・シニーズも、同僚たちの危機を陰ながら支えるところは、胸熱‼️
彼の働きが無ければ、司令船は電力を喪失して地球への帰還は不可能。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)のダン中尉‼️

特別出演で、実際の船長ジム・ラヴェル氏が3人を回収する揚陸艦イオウジマの艦長役で、低予算映画の帝王にしてハワードの師匠格のロジャー・コーマンが上院議員の役でそれぞれ特別出演。

ロン・ハワード監督作品恒例の家族出演はNASA職員のサイを兄クリント、息子の家族を励ますブランチ役を母のジーン・スピーグルが受け持つほか、父のランス(牧師)、娘のブライス・ダラスと妻のシェリルも参加し最多となった。
(Wikipediaより)

そして、NASAのスタッフたちが数々の問題を解決していくシーン(お手製の二酸化炭素浄化装置など)、チームの働きに熱くなる。まさに叡智の結集‼️

後に、
”成功した失敗 ("successful failure")"
”栄光ある失敗"
などと称えられた、この危機対応の鮮やかさを観て良かった名作‼️

AFI感動の映画ベスト100(100 Years…100 Cheers: America's Most Inspiring Movies)(2006年)の第12位に選出。



【忘備録】ネタバレあり
(アポロ13号)
・司令船CM-109
  コールサイン “Odyssey"
・月着陸船「LEM」LM-7
  コールサイン “Aquarius"

(主なトラブル、事故、対応)
・打ち上げ2日前、風疹によるメンバー変更

打ち上げ後
・センターエンジンの故障
・酸素タンクの爆発
・電力の不足
・二酸化炭素濃度の上昇
・降下用エンジンによる軌道修正
・司令船の再起動
・大気圏突入

(キャスト)
・ジム・ラヴェル Jim Lovell
トム・ハンクス
- アポロ13号船長

・ジャック・スワイガート 
Jack Swigert
ケヴィン・ベーコン
- アポロ13号司令船パイロット

・ケン・マッティングリー 
Ken Mattingly
ゲイリー・シニーズ
- 元アポロ13号司令船パイロット。
風疹によりジャックに交代

・フレッド・ヘイズ Fred Haise
ビル・パクストン
- アポロ13号月着陸船パイロット

・ジーン・クランツ Gene Kranz
エド・ハリス
- NASA主席管制官

・マリリン・ラヴェル Marilyn Lovell
キャスリーン・クインラン
- ジム・ラヴェルの妻

・ジョン・アーロン John Arthur
ローレン・ディーン
- NASA管制官

・ジェフリー・ラヴェル
ミコ・ヒューズ
- ジム・ラヴェルの次男

・ブランチ・ラヴェル
ジーン・スピーグル・ハワード
- ジム・ラヴェルの母

・メアリー・ヘイズ Mary Haise
トレイシー・ライナー

・バーバラ・ラヴェル
メアリー・ケイト・シェルハート
- ジム・ラヴェルの長女

・ディーク・スレイトン
クリス・エリス

・ヘンリー・ハート
ザンダー・バークレー

・サイ・リーバゴッド
クリント・ハワード

・ジョン・ヤング
ベン・マーリー

・ディレクター
ジョー・スパーノ

・テッド
ジェームズ・リッツ

・着陸船担当者
ウェイン・デュヴァル

・ギュンター・ヴェント
エンドレ・ヒューレス

・ジュールズ・バーグマン

・ウォルター・クロンカイト

・リーランド・カーケモ
揚陸艦イオウジマ艦長
Captain of USS Iwo Jima (uncredited)
ジム・ラヴェル(特別出演)

・上院議員
ロジャー・コーマン(特別出演)
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