ききけ

ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録のききけのレビュー・感想・評価

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『地獄の黙示録』をはじめて観た時、これは映画を超えたなにかであるという確信と共に、制作裏こそが戦場に違いないと感じていた。今回はそれが明らかになった。

一言で表すなら、フランシスの妻が言った「反対側へ行くには 失敗し 死に 狂わなければ⋯」という言葉に集約されているように思う。役者が本当に死にかけ、監督は精神がおかしくなり、現場は荒れ、薬物をやり出す者達⋯この映画が面白いか否か、良いか悪いかとかそんな次元には留まってなく、ただこの境地でなければこの映画は完成されなかったのだということが分かる。そんな境界線を超えたものを映像でこうやって作品として残っているのは本当に凄い。

マーティンが鏡を割って本当に血を流し、挙句には心臓麻痺を起こしたり、一週間飢えさせたトラを使う撮影裏が本当に狂っていてバカ笑った。芸術だな、ほんと。
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