金田一少年の事件簿の一つの事件のように思えたのは気のせい！？笑

仮面を被ったら違う自分や新しい自分になれるという心理は理解できる

別の人間になりたい願望を抱いてる人は多いんだなあ

「Dは君だ。」

"D"の名を持つ者が暴れまわる。

最終的に金田一の事件簿みたいになってくる笑

今作は、藤原竜也より大杉漣の方が良い味を出していた。

つまりは、いきすぎると「パージ」の皆さんになる。



藤原竜也が映画初主演して、ミステリアスな仮面づくりの若き職人を演じた作品。
原作は「ぼくらの七日間戦争」で有名な宗田理が執筆した小説。


とある高校に、突如として仮面を被って登校する生徒が現れる。
彼は所謂いじめられっ子で不登校児であったが、仮面をかぶることで「生まれ変わった」とうそぶいていた。
やがて仮面の生徒が増殖、学校はパニックになる。
日本社会全体でも仮面で生活する人々が増え、社会問題と化していった。
その裏には仮面を推奨する謎の団体と、仮面をファッションとして流行させた人気モデルの存在があった。
仮面を巡る論争が起きる中、ついに連続殺人が起き、警察も躍起になって捜査を開始する。
元同級生を亡くした主人公たちも独自に事件を調べはじめ、ひとりの仮面製作者に辿り着くのだったが・・・


序盤に不可思議な現象が起きて主人公が藤原竜也と出会うので、すわオカルトかと思いきやそんなことはなく、現実的な殺人事件を扱った、ごく普通のライトなミステリーでした。
起きていることは社会全体を巻き込んでの大袈裟な事なのに、事件のスケールとしては2時間ドラマでよくあるような連続殺人に終始。
元々は中学生向けである原作を少し対象の年齢層をあげてアレンジしている感じです。

「仮面」という存在を自己肯定のためのアイテム、「本当の自分を覆い隠すための鎧みたいなもの」として扱っています。
誰にでもあるコンプレックスを仮面をかぶることによってコントロールできると思い込むんですね。
いつも作り笑顔でいる人や、いつも何かに怒っている人なんかも同じだと思います。
ネットでの匿名性や整形なども一括りに、「仮面」というアイテムでわかりやすくビジュアル化しています。
まぁ、仮面を被ったからといって実際は何が変わるわけもないのですけれど、たしかに不思議な高揚感があったりしますよね。
違う自分になれると思うのは、現代のコスプレ文化やハロウィンの仮装などにも通じるのではないでしょうか。
「仮面」は遙か昔から呪術や儀式にも欠かせないものですし、殺人鬼が被るのも「何かパワーが宿った」ような感覚を内外に与えるからなのかもしれません。
実際は「仮面」などかぶっていなくても、多くの現代人は本当の心を隠し通して生きているので、その顔じたいがもはや「仮面」に他ならないのですけれど。

そんな社会派でもあるテーマ性をもった内容ではありながらもそこまで深く言及することなく、主人公の淡い恋やら何やらが主たるところなので、やはりティーン向け。
ミステリーとしてもかなりテキトーです（苦笑）
怪しい人物として大杉蓮や鈴木ヒロミツ、麿赤兒などが出演しておりますが、怪しいってだけであまり事件に関係ない（汗）
その相関図もよく分からないし、準主役として栗山千明もでていますが出番自体が少ないです。
あ、ひと昔前のアイドルファンとしては、久かたぶりに増田美亜の名前をエンドロールで見つけてちょっとだけアガりましたよ。
どこに出ていたのか全然わかりませんでしたけれど、増田美亜といえば「momoko」や「DUNK」などの雑誌によく登場していたアイドルさん。
一番有名なのは「地球防衛少女イコちゃん」での活動でしょうか。
割と好きなアイドルさんだったんですよね（汗）


それにつけても藤原竜也の美少年ぶりよ。
今でこそ「クズの役をやらしたら天下一品」という称号をもつ彼ですが（汗）、やはり端正なルックスが良い！
何を考えているのか分からない感情の無い演技は達者ですし、この頃の美少年ぽさはまるでロボットのようです。
感情を押し殺した、その影のある雰囲気は「仮面」を被った人々を描く本作において抜群のマッチングを感じさせるし、ピタリとハマっているかと思います。


単純な殺人事件を扱ったものではなく、もっとパニックに陥った社会全体を描いた作品であったなら面白くなったかも。
多少は仮面の人々の暴走描写もありましたが、平板でありきたりな演出で勿体なかった。
カルトな団体の描かれ方もダサ過ぎ（苦笑）
しかしながら、自粛警察なんてものが幅をきかせる今こそ「仮面だらけの社会」という現代の闇をビジュアルで見せて欲しい気もしました。
と書いてて、それ「パージ」じゃん！と思ったのは内緒（苦笑）。


NETFLIXにて

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