ちろる

パリジェンヌのちろるのレビュー・感想・評価

パリジェンヌ(1961年製作の映画)
3.7
パリジェンヌを巡る四つのオムニバスコメディ

❶【エラ】
しあわせの種は突然落ちてくる
ダンスと歌を舞台でこなすエラは、ショーの時刻に遅刻しそうになって、たまたま通りかかったタクシーを客がいるのに無理矢理相乗りして、ショーに向かう。
タクシー運転手が言う通り図々しい女だ!とわたしも思うんだけど、平気で嘘ついたり、人前で着替えたり、もうぶっ飛んでるから逆にかわいい。迷惑かけた男がどんなすごい人かも知らずに更に振り回す様子にどうなることやら・・・
幸せや成功の種はどこに落ちているか分からない。

❷【アントニア】
女を舐めたら火傷する
幸せな人妻がかつて付き合っていた男に偶然再会したことから起こる不倫?騒動。
アントニアの噂を陰で聞いた夫がその内容を漏らしちゃう点なんかは日本ではなかなか無さそう。
自分がかなりの賜物になったと自信があるが故のアントニアの小悪魔っぷりにはもう脱帽だし、なんか今の時代だと賛否両論っぽい感じだが、この時代の寛容さなら溢れたコメディで素敵です。


❸【フランソワーズ】
恋愛の自慢はくれぐれも控えめに
フランソワーズは夫の浮気癖が治らず友人のジャクリーヌのところに身を寄せる。
友達の指摘が意地悪だと取るのかそれとも助言だと取るのかは難しいところではあるが、人格否定までされたり、あそこまでマウンティングされると腹立つよね。
ジャクリーヌの余裕っぷりに鼻を明かそうと、恋人ミッシェルを誘惑して・・・
お茶目な小悪魔というよりはこちらのフランソワーズはかなり悪どくて個人的には✖️
コメディなのにちょいとドロドロ展開で笑えないし女だけど女こぇーってなったけど、何故かハッピーエンド。まぁいいか

❹【ソフィー】
ウソから出た誠??
18歳のソフィーをカトリーヌ・ドヌーヴがとても可憐に演じてる大トリ!
まだウブなソフィーは、同級生のビッチに、「聖女さま」なんて嫌味言われて思わず拾ったママ宛のラブレターを自分宛だと嘘ついてしまう。
おそらくこの女子校の八割は処女。故に経験者は羨望の的になるようだ。
親友との嘘のセックスごっこのシーンかわいすぎ。
貧しいアウトローな男とお嬢様の素敵な恋の予感?純粋な2人の関係に頬が緩みっぱなしですが、なんか切ないラストでした。
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