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海辺のポーリーヌのkogureawesomeのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
4.8
80年代のエリック・ロメールが特に好きなのですが、
ロメールは1920年生まれなので、60代で作ってた映画なのかと思うと、🤔
と言うのは、恋バナばかりなのです。
例えば、一か月ある夏休み、いわゆるバカンスの間に恋人が見つけられない女性の焦りの話だったり、妻子持ちとの不倫に嫌気がさした女子大生が、とにかく結婚すると決め込んで結婚相手を探す話しだったりします。

スタッフは撮影部3名、録音部2名、そして監督のロメールの6名で作った、この『海辺のポーリーヌ』も三角関係の大人たちと10代の男女のカップルの行き違いと告げ口の話です。

人違い、思い違いの喜劇、「必ずしも滑稽な人間ではなく、むしろ教養もあれば見識もある人間であり、面倒なシチュエーションにおちいったときには真剣に悩みもするのだが、真剣であるがゆえに滑稽にも」(山田宏一)見える面白さがクセになります。

私はフランスの落語だと思って観ているのですが、落語でも色っぽい噺を若い人や中年の人がやると、脂ぎっていたり、臭みがあったり、生々しかったりして、嫌味になったりしますが、
それが枯れた名人が演ると、噺がスーッと入ってくる何てことを申します。それに近いのかな🤔
写真で見るエリック・ロメールは三遊亭圓生に似てなくもないです。

それから
ロメール映画に出てくる女性は魅力的だけれども、いわゆる一般的な「美人」に当てはまらないところも好きです。

いろいろ書きましたが、やっぱりめちゃ面白かったです。ガハハと笑う感じではないですが、クスクス、ニヤニヤするおかしさがあります。
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