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ザ・グリードのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・グリード(1998年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

午後ロー録画視聴。

『ハムナプトラ』シリーズのスティーブン・ソマーズ監督。

『タイタニック』(1997年)の1年後にリリースされた海洋パニックホラー。

『トレマーズ』を海でやってます、という感じ。しかし肉と体液を吸い取られた後の人体が何百何千もあるように見えるのは壮観。ほぼセット撮影なのだろうと思うが、最後に爆発も起こり景気がいい。

勢いとテンポがあってパワフルな映画だが、傭兵チーム(?)の人達が魚雷を運んでいた理由が最後までよく分からなかった(真面目に観ていなかったのもあるが)。

この時代のパニックホラーには珍しく有色人種がたくさん出てくるが(そもそも日本人の富裕層向けのクルーズ船だったっぽい)、一人減り二人減り…最終的には白人男女3人が生き残る。いまの作劇では絶対にない生存者チョイスだろうな、と思わせる(いまだったらアジア人女性のレイラは実は生きていた、というどんでん返しにするだろう)。時代を感じた。

特にトリート・ウィリアムズ演じるノンシャランとした、しかし火器の扱いにも長けた白人男性の船長には、80〜90年代のアメリカ映画という感じを覚えた。『ダイ・ハード』に代表されるあの時代のアメリカ映画は、白人男性が苦境に陥るとなぜか建物と武器の構造を知り尽くしていたかのように活躍を始め、エンディングに近づくにつれてサバイバルスキルが向上していくのが特徴だ。その有能さは終盤、彼がジェットスキーを巧みに操りクルーズ船を脱出する場面によく表れている。

最後、彼らが辿り着いた孤島の斜面の地中をクリーチャーが爆走しながら降りてくるのを俯瞰で捉えたショットに、ギラーミン味を感じた。

「これ一回観たことあるな」と思い出したのは、終盤、自決用ピストルの弾が尽きる場面が記憶にあったからだ。いちばん印象に残っていたシーンだったらしい。
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