鬱蒼と木が茂った三叉路の奥から、汚らしいママチャリに乗った耕作（前田耕陽）が猛スピードで現れ、牛乳を飲んでいる雄次（哀川翔）を無理やり叩き起こす。ママチャリは河岸を疾走し、谷中銀座の階段を一気に下へ。木村（梶原聡）と神崎アスカ（阿部由美子）が公園で抱き合う密会現場でカメラを回す雄次と耕作、思いっきり甘いコーヒーと苦いコーヒーとの対比。暴力団神崎組の組長・神崎（団巌）は、娘のアスカが勝手に男と付き合っているのを知って激怒し、相手の素性と二人の交際の進行度の調査を雄次と耕作に依頼した。公園で抱き合うアスカの様子を隠し撮りしたビデオを見てさらに怒り狂った神崎は、相手の男である22歳の予備校生の木村を連れてきたら200万出すという。耕作はもちろん、雄次たちに仕事を回している由美子（洞口依子）と栄（大杉漣）も200万と聞いて心を動かすが、神崎の態度にうんざりしていた雄次はその仕事を断ってしまう。ある日、雄次は街で神崎組の芹沢たちに追われていた木村とバッタリ顔を会わせ、機転を利かせて彼をかくまった。アスカは恋人というわけではなく、彼女の方から無理矢理誘われ、組長の娘とは知らず手を出してしまったらしい。このままでは叔父の住むオーストラリアに逃亡するしかないという木村の言葉に、雄次と耕作は突如目を輝かせる。

　哀川翔と前田耕陽の凸凹コンビの珍道中を描いたVシネマ『勝手にしやがれ!!』シリーズ第二弾。ヤクザの組長の娘に手を出してしまった男の受難を皮切りに、オーストラリアに逃亡するしかないという脱出計画を本気にした雄次と耕作は「ここではないどこか」への逃亡を試みる。途中、行きがかり上出会った神崎陽子（木内あきら）に惚れられた雄次、オーストラリア行きの時期で前作以上に揉めに揉める雄次と耕作のやりとりが微笑ましい。今作はシリーズで唯一例外的に、ヒロインではなく、木村宏という予備校生がトラブルを運んで来る。雄次は日本で一旗あげられなかった人間が、オーストラリアで成功出来るはずもないという至極真っ当な正論を吐く。その言葉を神妙な表情で聞く耕作の姿がある。今作は一見、奇をてらったコメディでありながら、実に哲学的なロジックを内包している。黒沢清の映画において、仲間が一人また一人と消えていき、最終的にはあなたと私の2人しかいないという光景は度々見られた。それに対し、今作で見られる光景というのは、オーストラリアへ行こうと画策する人間が、哀川翔と前田耕陽の2人から、木村やアスカや陽子へと増殖の一途を辿ることである。やがて敵役であった高部までもが彼らの味方になり、オーストラリアへ向かう一行は2人から6人へとグレード・アップする。だが幸せな光景は長く続かない。諏訪太朗扮する密航指南者は、東京のどこかの港へたどり着くが、希望の船に全員が乗る瞬間は遂に訪れない。

冴えない便利屋のチンピラコンビが繰り広げるコメディドラマのシリーズ二作弾。
哀川翔と前田耕陽がW主演、阿部由美子と木内あきらがゲストヒロインを演じる。　　

便利屋稼業のチンピラの藤田雄次（哀川翔）と吉行耕作（前田耕陽）は、暴力団神崎組の組長から、娘のアスカ（阿部由美子）が付き合っている木村を連れてくれるよう依頼される。
報酬は200万円。
雄次と耕作は報酬の200万円で、物価が日本の5分の1のオーストラリアに移住することを夢見る。
当の木村はアスカが一方的に好意を持っているだけで、木村には別に意中の女性（木内あきら）がいた。
しかし引っ込み思案の木村は彼女に告白できず、雄次と耕作が協力することになるが.....

軽いコメディを混ぜたゆるいチンピラ作品。
間抜けなコンビに加えて意気地なしの木村、彼を中心とした二人の女性による三角関係が繰り広げられ、まったりのドタバタ劇が楽しめる。
一方で一番筋を通した人が死んでしまうのが残念。
果たして雄次と耕作のオーストラリア移住計画は如何に？　
エンディングは、ほのぼのとした”森のくまさん”♪の歌で幕を閉じます。　

2022.11　BS12で鑑賞

• #ビデオに撮ったラブシーン
• #神崎組組長
• #オーストラリア
• #絵葉書
• #船

オープニング全く同じやんけと思ったら確かに哀川翔がタバコを咥えていない（流石です…）。あとライターの数増えた？潰れた魚屋は移転して営業を再開している、こう言う間違い探しみたいのはこの先も続くの？木村くんのメンタルがぶっ飛び過ぎてて絶対に関わりたくないタイプだったけど、芝居と分かっていながらも目の前で女の子が「助けて！」と叫んでいようものなら助けずにはいられない雄次の人間味が光る。堂本との別れは死亡フラグではと思ったが、代わりに違うおっさんが呆気なく殺されて悲しくなったし、そこからの展開が胸熱→爆笑だった。無理矢理口内に挿入されるマヨネーズとプリン、ドレッシングは眼球にやられてんの？つか木村くん、火傷は大丈夫だったんか…？家庭的なタイプの耕作、湘南乃風なら一目惚れしてる。