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四月物語のkojikojiのレビュー・感想・評価

四月物語(1998年製作の映画)
4.1
No.1604
岩井俊二監督作品。

観ずに大事にとっておいた。
こんな映画はそうないだろう。
観もしないで、とっておくのだから。
どんな話か、どんな風に自分が思い、何が蘇るのか観ないでもわかる。
岩井俊二監督作品で「四月物語」なのだから。

しかも松たか子。もったいなくて、簡単には観れない。

「ラストレター」に始まり「Love Letter」を観て、残すところはこの作品だけになっていた。
勝手につけた、私の岩井俊二の三部作の最後。

 高校生の彼女は、国木田独歩の「武蔵野」を読んでいる。先輩が武蔵野大学に行ったからだが、果たして他の脚本家がこの小説を使うだろうか。
この小説、今ではおそらく見向きもされていないだろう。
ただ、私にとってはそこが魅力なのだが。

 四月。さくら🌸が雪のように散っている。
彼女は北海道からここ武蔵野にやってきた。実は先輩を追って。
「門出」だ。大学生活が始まる。
引越し、小学校の入学式、通りには花嫁までも現れる。
さくら🌸が雪のように降っている。

 初めて親元を離れ、アパートの鍵を開けた時の静まり返った部屋。
「いらっしゃい」でもない「よろしく」でもない、ただ「これから始まる」のだという匂いを思い出した。季節は春。


ストーリーは、想像通り
感じたものは、想像通り
蘇ったものは、想像通り 酔った。

評価は申し分なしの4.0
時間はなんと67分。


(追伸)
※ ジャケ写が暗すぎる。映画はこの印象とは正反対の心ときめく季節の物語だ

※加藤和彦大先生の突然の登場に驚いた。なんと素晴らしい笑顔だろう。
ラストコンサートに行けなかったことだけが悔やまれる。遅まきながら、ご冥福をお祈りします。
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