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コレット・水瓶座の女のtakのレビュー・感想・評価

コレット・水瓶座の女(1991年製作の映画)
3.2
フランスの作家ガブリエル・コレット。奔放な恋愛遍歴でも知られる人だが、作家として世に知られるまでは、簡単な道のりではなかった。この映画は、ガブリエルの最初の結婚前後を中心に、浪費癖のあるプレイボーイの夫の束縛から、自分に目覚め魅力を増して羽ばたいていく姿を追う。

最近はバイプレイヤーとしての活躍が目立つダニー・ヒューストンの監督作。父ジョンは名監督、姉アンジェリカ、祖父ウォルターも有名な名門ヒューストン一家だけに、ついつい父親の作品と比較して触れたくもあるのだが、この映画については特に演出のすごさを感じる場面はあまり思い出せない。むしろキャスティングのよさが映画の印象と言ってもいいかも。

ガブリエルは「スペース・バンパイヤ」のマチルダ・メイ。同性の恋人を演ずるのはバージニア・マドセン。どちらも脱ぎっぷりのいいムチムチな女優なので、二人がベッドに並ぶのはまさに眼福。当時のビデオソフトのパッケージもこの場面だったから、女性作家の半生がうんぬん…というよりもエロ目的で手にした方々もさぞかしいたことだろう。でもマチルダ・メイのスネたような表情が映画後半に生き生きとしてくるのは実に魅力的。ガブリエルは劇団で活動していた頃もあるので、ステージで踊るシーンも。吸血異星人のイメージが強い女優だけど、マチルダは歌って踊れる才女でもある。そこを考えたキャスティングなのかな、フランス人だし。「メフィスト」の名演技以来80年代に活躍したクラウス・マリア・ブランダウアーも、「007/ネバーセイ・ネバーアゲイン」の悪役並に小憎らしい夫役を好演。

キーラ・ナイトレイ主演版を観ただけに、マチルダのコレットを見直してみたい。
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