ブラウンソースハンバーグ師匠

メランコリアのブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

メランコリア(2011年製作の映画)
-
華はあるけど可哀想な役ばかりやらされてきた幸薄キルスティンダンストが、地球を道連れに人生を終わらせる映画です。
観る前は、始めから美しくも陰鬱な空気感で展開されていくのかと想像していたのですが、前半は監督が今までやってきたような傲慢でネチネチっとした人間模様が描かれます。辛辣すぎて、それ故にコメディとしても受け取れてしまうあの感じ。
そこから後半は地球滅亡までの秒読みが始まっていくという展開です。
引きの強い、地球滅亡という要素に頼り過ぎないところが並みのパニックムービーとは一線を画くところであります。また、人間の傲慢さを行き着くところまで描いていた監督が、今作では地球滅亡でそれ自体をうやむやにしてしまいます(その為の自己模倣的な前半とも言えるかもしれません)。この姿勢は、自作に対しての自己批判や脱却のようにも受け取れました。
ラストシーンに関しては、ダンサーインザダークの終盤のように息の詰まる展開です。容易に身動きが取れない映画館で鑑賞することをオススメします。