アキヒロ

アイデンティティーのアキヒロのレビュー・感想・評価

アイデンティティー(2003年製作の映画)
3.9
面白い!!

嵐のモーテルで立ち往生を食らった11人の男女。
あるものは休養にきた女優、搬送中の囚人と刑事、移動中の夫婦とそのつれ子……次々と殺されていき事態は混迷をきわめる。
果たして犯人は誰なのか。

テンポがよく、次々と事件が起こるので見ていて飽きない。
妻が車で轢かれ、川が反乱、女優の殺害、囚人の脱走…
シナリオがとても優れている。
さらに最重要容疑者だった囚人まで殺されて、一体誰が犯人なのか?という本格ミステリの雰囲気が最高。

現場には「10」「9」「8」…というカウントダウンのようなルームキーが。
これは何を指しているのか。
しかし、途中で事故での死者も複数現れ…
さらにはそれまで死んだ者たちの死体が突然焼失。
そのうち、モーテルに集まった者たちは全員5月10日生まれ、さらに全員の名前にアメリカの州名が入っていることが判明。
エドが目覚めると、そこには死刑宣告をされようとしている連続殺人鬼マルコムの弁護士や判事たちが…。
そこで判事の一人は、君たちはマルコムが幼年期に虐待を受けた末にできたさまざまな人格たちだと解説を受ける。
しかし、エドが首をひねると再び場面はモーテルの中に。

パリスがローズの車のトランクを開けると、中には死体が。
実はローズは搬送されてきた囚人の一人で、途中運転手を殺して成り代わっていた。
そんな中でエドとローズは銃で撃ち合って相討ちで死に至る。
そこで目覚めたマルコムは、判事たちから「マルコムの中での殺人鬼の人格は死に至り消滅した」ので、死刑を免れることになった。
残されたのは、パリスの人格だが、最後に庭を手入れしていたパリスは土から「1」のルームキーが。
殺人鬼の人格は唯一の子供、ティミーだった。
そうして、マルコムは搬送中の車内で助手席の判事の首を絞める。

何度もどんでん返しがあって、とても面白かった。
とくに「実は多重人格者の精神世界だった」「実は犯人は子供だった」は前例があるオチですが、合わせ技にすることで新鮮味を作っていたと思います。
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