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異人たちとの夏のTakaCineのレビュー・感想・評価

異人たちとの夏(1988年製作の映画)
3.7
【親恋い物語は◎だけど】
『異人たち』を観たので、原作(山田太一)に近いと言われる大林宣彦監督版を初鑑賞。

非常にノスタルジックで…それでいて、少しキテレツな作品に感じました😅
後半はちょっと驚きましたね…

全体としては『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)のような昭和レトロな風情があって、主人公の原田英雄(風間杜夫)が幼少期に他界した両親とある日邂逅して…父とはキャッチボール、母とは手作りアイスクリーム、そして三人で花札、浅草花やしき…そんな昭和世代の僕には懐かしすぎる日常風景が描かれてゆきます🎐
そんな場面を見るだけで、胸がジーンとしてきますね😭

江戸っ子で職人気質な父(英吉:片岡鶴太郎)
優しくて笑顔が素敵な母(房子:秋吉久美子)

この両親の無償の優しさや温かさが本当に胸に沁みる~😂💕

そして今半別館(行ったことないけどw)で、万感のすき焼きシーン😭

ありゃ、泣くなって無理っしょ💦(最高の親恋いシーン)

って、ノスタルジックな場面が僕の心を完璧に癒してくれて…もう涙でくしゃくしゃになっていた😭…のに、

急に『雨月物語』(1953)が侵食して襲いかかってくるとは…(※ちなみに、雨月物語は大好きな幽霊譚です)

ああ、大林宣彦監督は『HOUSE ハウス』(1977)の監督さんだったなあ~と思い出して、モンタージュや特殊メイク&撮影が、一昔前のお化け屋敷みたいに"あざとくて"興醒めしてしまいました😰

例えれば、懐石料理を食べてたのに、急に濃厚チーズ料理を出されたような…まるで違うテイストの料理を出されて戸惑ってしまいました💦

その違和感があまりに酷すぎて、せっかくの親パートのノスタルジックな余韻が吹き飛んで…特に後半の血飛沫はチープで本当に台無しに思えました😰ヤリスギ

とても人気のある作品と思うのですが(『異人たち』にコメント下さった方々の中にも、大好きな意見ありましたし)、前半のノスタルジックで物悲しい両親との邂逅シーンは◎、後半のホラーテイストはかなり僕には△…そこも80年代の映画らしいチープさは愛すべきところですが…もう少し前半の雰囲気を壊さない描き方ができなかったのかしら😢ザンネン
(当時の技術では限界!?今なら違うかも💧)

昔観た黒沢清監督作『スウィートホーム』(1989)の和モノお化け屋敷感は好きだったのに、急にディック・スミスの西洋モンスターが出てきた違和感を思い出しました(今はビデオ廃盤、未DVD化で観られないけど💧)

ちなみに名取裕子さんがお綺麗で大好きなんですけど、桂役はあまりに幸薄すぎて…そんな女性役が個人的に嫌でした😢

全体の雰囲気は、「世にも奇妙な親恋い物語」で凄く良かったのですがね~
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