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凶銃ルガーP08のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

凶銃ルガーP08(1994年製作の映画)
4.3
土井士郎(阿部寛)は、書類の山に頭を悩ます商社マン。
平凡な毎日を送る中で、彼はふとしたことから銃を手に入れてしまう。 
半信半疑の士郎が手にしたその銃こそ今までに多くの血を吸い続けて来た呪われた凶銃であった。 
次第に自分の中の得体の知れない力を感じ始めていた士郎はやがて銃を撃ちたい衝動を押さえ切れず弾を入手し、そこで密売屋のルル(中島宏海)と知り合い互いに魅かれ合う。 
呪われた銃を追い続ける村上刑事、そして、その銃に吸い寄せられるかのように士郎の背後に忍び寄る黒い影。 
妹の柚未をも巻き込んで、しかし、しだいに殺人鬼と化して行く士郎、その運命は・・・・・
大藪春彦の同名ハードボイルド小説の映画化。
妖刀村正のように持つ者に殺戮衝動を呼び起こし運命を狂わせる凶銃ルガーP08を手にした士郎が、チンピラに絡まれたり性暴行犯に自分の妹を狙っていることを仄めかすいたずら電話をされたり自分の中の怒りが狂気に変わっていく中で己の殺戮衝動を銃に呼び起こされ次第に殺人鬼と化していくストーリーを、俳優業を始めたばかりの阿部寛が、「野獣死すべし」の松田優作張りの役柄に入り込んだ怪演で演じきり、リアリティーに裏打ちされた「タクシードライバー」張りの訓練シーンやチンピラたちなどとのガンアクションがスリリングで、大藪春彦の世界観そのままのビターなオチも忘れ難いハードボイルド・サスペンスアクション映画の隠れた傑作。
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