真っ黒こげ太郎

ミッション:インポッシブル2の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.3
ごきげんよう、真っ黒こげ太郎君。
君にはこれからシリーズの中で異端児或いは最低作扱いされている「ミッション:インポッシブル2」通称「M:I-2」のレビューを行ってもらう。
例によって君もしくは君のフォロワーが最新作に間に合わなくなっても当局は一切関知しないからそのつもりで。
後、今後シリーズ映画を追いかけるなら余裕をもって取り組みたまえ。
[このメッセージは5秒後に消滅します。]

公開身近にならなきゃ…便乗できんだろう。(最低)
まぁ、好きなジャンルの映画を見る口実としてはこの上ないけどね!




バイオサイト製薬の研究員であるネコルヴィッチ博士が作り上げた、恐るべき殺人ウィルス「キメラ」とその治療薬「ベレロフォン」。

ウィルスと薬を持って飛行機でシドニーからアトランタへ向かうネコルヴィッチ博士は、極秘諜報部隊IMF(Impossible Missions Force 通称「不可能作戦部隊」)に護衛を依頼する。
だが、一攫千金を目論むIMFのショーン・アンブローズの裏切りで、ウィルスと治療薬が奪われ、飛行機も墜落させられてしまう。

IMF本部は休暇中だったイーサン・ハントにウィルスを奪取するミッションを与える。
イーサンは、アンブローズの元恋人のナイア・ホールとタッグを組み、ウィルス奪還の為に戦いを挑む!!!




秘密諜報組織に所属するスパイが不可能な任務に挑む、スパイ・アクション。
トム・クルーズ氏の代表作の第二弾!
監督は「男たちの挽歌」「フェイス/オフ」等で知られるアクション映画の雄、ジョン・ウー氏。

続編となる今作はシリアスなスパイ・スリラーだった前作から一転、ド派手なアクションが連続するスーパー・エンタメ大作へと変貌した!!!
恐らく、過去のテレビシリーズからの脱却を図ったのだろう。まぁその結果「もう別モンじゃん!」「やりすぎ!」と酷評されてしまうのだが。

まぁ、後の作品はもっとぶっ飛んだトンデモ・アクションと化すんですけどね。w
そういう意味では今作はそれらのハチャメチャアクションや超危険なデスウイッシュ・スタントの先駆けといえるだろう。


開始早々、断崖絶壁のロッククライミングが展開。
ぶら下がるトムさんの姿は全力疾走する姿と並んでシリーズのお約束だが、一気に凄まじい高所でぶら下がり岩から岩へと飛び移り挙句片手で宙ぶらりんになるもんだから、思わず股間が縮み上がる。w
しかも安全用ネットなしかつ命綱のみ、スタントなしでやってのけたんだから驚きだ。
(もうこの時点でモノホンアクションに魅入られてるなw)

その後もヒロイン相手のド派手なカーチェイスに、敵地での火花舞い散る銃撃戦に火薬の大爆発、相変わらずの全力疾走、クラッシュも爆破も盛り沢山なバイクチェイス、そして敵ボスとのタイマンバトル等、ド派手な見せ場が目白押し!!!

どのアクションもトム・クルーズ氏自身がノースタントで挑み、身体を張りまくってる。
殴り合いの場面では眼のギリギリでナイフの刃を突きつけられるという超危険な場面も。
因みにジョン・ウー監督作なので、ダイビング二丁拳銃や鳩が飛び交う場面も当然の如くあります。w


作風も前回の暗い作風から一転、まるで灼熱の太陽の如くギラッギラで賑やか。
過去作の様な謎解き、ミステリー要素が薄れ「アクションヒーローが敵の野望を打ち砕く」というシンプルで分かりやすいお話にシフトチェンジ。
最初から敵ボスの正体や目的も分かってるし、主人公とヒロインのロマンス要素もあったりで、正統派なエンタメ・アクション物となった。
潜入捜査や駆け引き等のスパイ要素は前半に固められており、後半からは激しいドンパチアクションの嵐だ。
スパイ要素やストーリー性は薄っぺらくなったが、その分純粋なアクション物としてとっつき易かったですね。
(特に初見時の俺にとってはw)


強いてアクション方面への不満を上げるとすれば、クライマックスでは敵ボスとの激しい格闘戦が展開されますが、そこで繰り出されるドロップキックや回転蹴りは少々見栄えが悪かったように思える。
流石のトムさんでも、蹴り技の美しさやしなやかさではヴァンダム氏やアドキンス氏には及ばなかったようだ。
(流石に本職の格闘アクション俳優の人と比べるのは酷な話だが。)



確かにジョン・ウー監督色が劇強だし、チーム要素もシリーズ中薄目で、それ故にシリーズファンから酷評されてしまったのだが、初めて一作目を見た後に感じた「このシリーズを楽しめるのかな…」という不安感をドンパチ多め&ケレン味多めな内容でいい意味で拭い去ってくれたので、個人的には結構好きな作品ですね。

実際見直してみると後のシリーズのアクションシーンに繋がった要素も沢山見受けられたし、今となっては本シリーズは今作さえも可愛く見えるレベルのぶっ飛び超絶アクションシリーズとなった(爆)ので、その足掛かりとしても見て損はないと思います。


なお次回作では、今回の批評を受けて駆け引き&チーム要素を盛り込み、一作目と二作目のいい所取りをして、アクション要素とスパイ要素をバランス良く盛り込んだエンタメ大作になりました。

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