てつこてつ

坡州 パジュのてつこてつのレビュー・感想・評価

坡州 パジュ(2009年製作の映画)
2.8
韓国映画界を代表する巨匠パク・チャヌク監督ではなく、パク・チャノクという全く別の監督さんの力作・・。

監督こだわりの世界観を重視した頑張りは伝わるものの、ストーリーの展開が現在と過去のシーンが唐突に交錯するので、正直、分かりにくさはある。

韓国北西部の北朝鮮との国境の街であり、タイトルにもある坡州という街の寒々しく閑散とした雰囲気や、若き日の、濃いめのキャラクター設定がされていないイ・ソンギュンの貴重な主演作である事、そして、目ヂカラが強いヒロイン役のソウの演技力(これだけの存在感がありながら出演作が非常に少ないのが不思議!)には一見の価値はあるものの、最後まで明らかにされない真相とかモヤモヤ感のほうが強く残る。

昨今のハリウッド顔負けのエンタテインメント要素満載であったり、捻った脚本であったり、はたまたキム・ギドク作品のような一貫した哲学・美学を持つ王道の韓国映画を好む人には、あまり向かないかもしれない。

例えるならば仲野太賀あたりが主演を務める邦画のテイストのほうに近いかも。

もちろん、イ・ソンギュンのファンなら、これだけ感情を押し殺した役どころを彼が演じるのは非常に珍しいのでお勧めではある。珍しくお尻丸出しにしたベッドシーンまで登場する。
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