らぱしおん

ドゥ・ザ・ライト・シングのらぱしおんのレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
3.0
人種の坩堝。グッチャグチャのゴッタ煮の中で、50年やってきたあの店の存在が逆に奇跡だったし、それを自分たちの手で打ち壊してしまうような、どうしようもない街だけれど、それでも今日もクソ暑い一日の幕は上がり、人々の暮らしは続いていくんだ。そのちょっぴり冷めた、突き放した視点がスパイク・リーの持ち味だし、狂気でもあると思う。こういうのを見せつけられると、日本がいかに同質的でお気楽な国家であるかが逆に見え過ぎちゃってあたふたしちゃう。あそこでは自己主張しないと生きていけないんだものね。理性ではLOVE>HATEだけど、人間の行動の最終決定権を握る感情は往々にして真逆の結論を出す。だから仕方ないとは思わないけど、うーんとただただ唸るばかりなり。

スパイク・リーはすでに30年も前に完成していたのだった。