ミーハー女子大生

おと・な・りのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

おと・な・り(2009年製作の映画)
3.0
【あらすじ】
風景写真を撮りたいという夢を抱きながら、友人でもある人気モデルの撮影に忙しい日々を送るカメラマンの聡(岡田准一)。
一方、フラワーデザイナーを目指して花屋のバイトをしながら、フランス留学を控えた七緒(麻生久美子)。
同じアパートの隣同士に暮らす二人は、いつしか互いの生活音に癒しを感じるようになる。
都会のアパートの隣同士に暮らし、一度も顔を合わせたことはないが、音によって惹かれ合っていく男女の恋の行方を描くラブストーリー。

【感想】
「初めて好きになったのは、あなたが生きている音でした。」
タイトルと共に、おっ!と思ったコピー。
岡田准一と麻生久美子のダブル主演。
30歳。
大人のための等身大ラブストーリー。

久しぶりの恋愛映画に張り切って観たものの...。
なんだかチグハグしてる。

初めから二人がメインのラブストーリーではないこと。
所々、興ざめしてしまうセリフや演出のシーンがあること。
主軸が分かりにくく、それはこういうことなのかな?と中途半端に憶測をしてしまうところがあること。
理由はこのあたりでしょうか。

タイトルに掛けられてるであろう、「お隣り」と「音鳴り」。
顔も合わせたことがない相手の生活の音に、恋をする。 (しかもこんな美男美女!)
とてもロマンチックで、ファンタジック。
けれども、互いの「音」を耳にして、それを密かにどこかで恋に繋がるほど大切にしている気持ちを理由づけしてくれるモノが今イチ伝わってこないのです。

そして聡は居なくなったモデルの友人と、その彼女に翻弄されて。
(これってもっと早く決着つくんじゃないの、と久々にツッコミいれたくなりました。)
七緒は、突然目の前に現れた男に翻弄されて。
肝心な「お隣さんである二人」のエピソードは添え物みたいになってしまった印象が 否めません。

二人がそれぞれ住む部屋は、現代を感じさせない落ち着きと清潔感があって その空気感はとても心地いいものを感じます。
鍵、コーヒーミル、フランス語、鼻歌。
壁越しに奏でられる音たちも、気持ちよく耳に入ってきます。

なのに、誰にでも分かるように何度か出てくる、 七緒が枯れてもいないお花を捨てるシーン。
それと「男」が七緒に向かって最後に言うセリフ。
ちょっと、ちょっと、それは無理やりなんじゃない?と、 作品世界に浸ろうとする気持ちを中断させられてしまいます。

後半になって、二人がようやく互いに本当の意味で近づき始めたあたりからエンジンがかかってきましたが、そこに行きつくまでが長く感じました。
恋のキラキラ感を味あわせてくれるシーンもいくつかありましたが、 ラブストーリーなら、個人的にはもっとたくさん散りばめてほしかったな。
余計なこと考える暇なんてないくらいにね。

ストーリー 3
演出 2
音楽 3
印象 2
独創性 4
関心度 3
総合 3.0

20/2023