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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌のyuriのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ストーリー知ってるのに永遠に泣いてたんだけど、年なのかな、、?🫠

この「絵描きのお姉さん」というキャラクターに全てが詰まりすぎてて...
お兄さんはお姉さんも牧場も夢も家族も容易に全て手に入れてるのに対し、お姉さんは夢とお兄さんの二者択一を迫られるというのは男女の不均衡でモヤモヤするって言ってる人が多くて、それはすごく共感できる
だけれど私は、お姉さんというキャラクターが、漫画家を目指していたさくらももこさん本人の過去と結び付けられたキャラクターであることに意味があるなぁと思う。

もし東京に出る前に静岡の人と付き合っていたら漫画家になる道はなかったかもしれない、お姉さんはそういったifのシュミレーションでもあるとさくらももこさんは漫画のあとがきで言ってて
最近子どもを産んだ友達が、もうイヤホンで音楽を聴けない、今はこの子の成長が生きがいだけれど、産まなかった人生に戻れないということを深く実感すると言っていた。逆に私は、子供や家庭を持つ人生でしか知ることが出来ない喜びを、おそらくは知らないまま生きていくのだろう。

この映画では戦地に出征する馬と北海道にお嫁に行くお姉さんが重ね合わせて描かれていて、おめでたいことだから泣かずにバンザイするよ、というまるちゃんの姿と、白無垢で泣いているお姉さんの姿が切なく、それがさくらももこさんの結婚に対する本心なのかもしれないと考えると興味深かった。

現代の価値観の正しさでいうと「北海道でも絵に集中できるように環境を整える」とお兄さんが譲歩しろよみたいな話になるのかもしれないけど、それだとテーマがブレちゃう気もして。
結婚してるしてない、子どもがいるいない、仕事をするしないの組み合わせで全く違ったものになる女の人生、それがいいことも悪いこともあるけれど、全てが味わい深くて濃くて面白いね

お姉さんがこの先絵を描き続けても、描かなくなったとしても、まるちゃんという熱烈なファンの女の子がいたことを一生忘れられないだろうなと思う。

あとは、知らないお姉さんにのめり込むまる子を見て静かに嫉妬する本当のお姉ちゃん、良すぎる
たまちゃんもそうだけど、さくらももこさんは女の友情とか絆とか人生に対する解像度が高すぎ、でも大野杉山とか藤木永沢とかの男性同士に発生するクソデカ感情の「わかる」感も強すぎるから単純に人間観察のプロなのかもしれない...
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