竜平

パトリオットの竜平のレビュー・感想・評価

パトリオット(2000年製作の映画)
4.1
「アメリカ独立戦争」を舞台に、かつての戦争の英雄とされる男とその家族の姿を描く。ローランド・エメリッヒによる戦争スペクタクル。

主演がメル・ギブソン。『ペイ・バック』あたりにもあるけど、彼のなんというか「怒らせちゃいけない男」な雰囲気、イイよね。そんなギブソン扮する主人公ベンジャミンが抱える「愛国心」と「家族」の秤だったり、内に潜む自身の闘争本能だったりというドラマに序盤から引き込まれる。舞台は1700年代後期。戦うことを拒否するのは非国民、みたいな、大昔の日本にもあったようなそれが当時のアメリカにもあったんだろうか。そんな時代背景が見えつつ、またそこにある人種間の問題というのも今作ではいいスパイスになってたりする。戦争が題材ということで物悲しくて残酷な展開もしばしば。ストーリーはわりとシンプルながら、復讐や犠牲や「戦う意味とは」みたいな部分にも切り込む、じつは深くてグッとくる内容。あとは大昔の戦争模様、迫力ある合戦シーンというのも完全に見もの。戦車なんかもちろんなく、一発撃っては装填しての銃、爆発せずに激突してくる砲弾など、この時代ならではの攻防や戦略がおもしろいなと。スペクタクル系のエンターテイメントとしてもしっかり楽しめる、長めの上映時間を感じさせない良き娯楽作品。

にしても、ここらへんのアメリカの歴史とか調べると今では考えられないようなものがたくさん出てくるから非常に興味深い。“自由の国”アメリカに歴史あり、なんて。息子役には故ヒース・レジャー、彼の勇姿もまた見どころ、かな。
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