このレビューはネタバレを含みます
いくら終戦直後とは言え、30歳近い布枝は行き遅れで、見合い相手に文句は言えず、見合いから5日後に結婚させられて、見知らぬ東京で暮らすことに…。
相手は10歳年上で、戦争で左手を失っている。生活の心配はないと聞いていたのに、恩給は夫の親が全て受け取っていて、貸本向けの漫画家としての収入は僅か。
ライフラインが時々止められ、質屋の世話になりながらの生活を、布枝はよく耐えたと思う。現代とは違うと言っても、戦後なのだからそこまで耐えなくても…と思ったが、茂にどこか憎めないものや才能を感じたのだろう。
ラストシーンは、もう少ししっかりと成功の(売れる)兆しを見せて安心させてほしかった。