ツクヨミ

ここに幸ありのツクヨミのレビュー・感想・評価

ここに幸あり(2006年製作の映画)
1.5
大臣から無職へ転落した男の話なのにやんわりと幸福で、ひとつまみの社会問題提起。
特集"オタール・イオセリアーニ映画祭"にて鑑賞、"ノンシャラン"という謎のほんわかワードが売りだというイオセリアーニ監督を体験してみた。
まず今作はどこかの国の大臣が軽い発言から辞職するという悲劇な話だが、群像劇のような猥雑さと地味に繋がる人間模様が微笑ましく展開され全く暗くならない雰囲気であった。人々の生活を目眩く描写し酒とタバコでゆったりと人生に乾杯する人生讃歌なストーリー。
しかしそんなゆったりしたストーリーの中には、黒人.移民問題やそれに付随したデモなどがチラつくスパイスが散りばめられる。幸福とひとつまみの問題提起がイオセリアーニの特徴なのかはわからないがわかりやすく際立つ部分。まためちゃくちゃ種類豊かに登場する動物たちも特筆すべきか。
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