佐藤克巳

わが命の唄 艶歌の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

わが命の唄 艶歌(1968年製作の映画)
4.0
この頃、映画産業の衰退が日本文化の低下に繋がっていった。レコード業界も、作詞・作曲家、歌手も専属制だった時代の終焉が近かった頃の物語を舛田利雄監督描いた歌謡映画の傑作。テレビの普及と影響力の拡大を大宅壮一は「一億総白痴化」と当時呼んだが、現在が正にそんな時代でその予見はズバリ。テレビも自分で自分の足を食い尽くそうとしている。そして日本から文化は消えた。事実、軽薄な放送業界が放送禁止歌を乱発して消えた歌も多数。艶歌と呼ばれたのもこの頃で、流行歌の中でも特別視されたが、渡哲也同様私も大嫌いだったが、「人生劇場」「王将」なんかは人生訓となっている。艶歌の鬼芦田伸介の名演で、日本人なら何故艶歌なのかが理解できるだろう。なお、この映画の松原智恵子は本当に美しいのと、水前寺清子にとっても宝の様な作品になったと思う。
佐藤克巳

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