このレビューはネタバレを含みます
伊丹十三流解釈による余命もの。
邦画でも洋画でも擦られ続けた題材だが、新鮮な切り取り方。
特に、親身になって看病してくれる妻を差し置いて、不倫相手を連れ込む所は人間的だと感じた。
人間、死を感じたからっていい人間になるわけではないし、寧ろ欲望のままに生きるようになる、それが『最高の人生の見つけ方』みたいな綺麗なものだけじゃない。
しかし、それを滑稽に、切なく、エンタメにしている所がこの作品が突出している点。
臨死体験はいかにも昔のCGだが、味がって良し。昔といっても「コワすぎ!」シリーズくらいのクオリティはあります。
『大病人』というタイトル凄い。
みた後は「大病人」としか思えない。