SIRMA

ヴィタールのSIRMAのレビュー・感想・評価

ヴィタール(2004年製作の映画)
4.5
余韻
夢現のトランス要素や頽廃的な都市のイメージなど塚本映画ならではの魅力と、「愛」というテーマが両立した叙情的な作品だった。

二元論
事故で記憶や感情機能を喪失した虚ろな雰囲気の医者の卵が、解剖実習で変わり果てた元カノと再会する話。
記憶と現実、妄想と肉体の間で揺れ動き続ける。
いつしか彼にとって存在する現実は2つとなり…

解剖実習
やたらとリアル。実習着が黄ばんでいくとともに、匂いが画面越しに伝わってきた。監督は本作品のために現場見学や徹底した取材を行ったらしい。


感動を前面に押し出さない不穏な映画だったからこそ、エピローグには来るものがあった。
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